兵庫県議会議員 くりやま雅史
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議会活動一般質問2003年9月17日 一般質問内容

2003年9月17日 一般質問内容


はじめに

 今回の一般質問は大きく4点でございますが、現在本市の一番の課題とされる「財政問題」を、大きな核と致しまして、各種のご質問をさせていただこうと思います。

 その前提と致しまして、お話ししたいことがございます。平成14年12月に出されました、西宮市財政の現状〜西宮市の財政を考える(后法舛9ページ【資料1】によりますと、平成20年度には実質収支、つまり財源不足累計額ですが、272億円の累積赤字にのぼる試算になっております。現在公表されている決算統計からある数値を用いて、この試算通りに判断いたしますと、今から4年後の平成19年度には財政再建団体に転落することになります。
 ここで改めて「財政再建団体」とはどういうものか、再度確認するためにご説明を申し上げておきたいと思います。【資料2-1】
 財政再建団体とは、昭和30年に「地方財政再建促進特別措置法」により定められたもので、赤字累計額が一定規模つまり、標準財政規模の20%を超えると財政再建団体に該当し、企業で言えば、一種の破産状態で、会社更生法の適用を受けることになります。本市においては、標準財政規模が直近のデータで906億53百万円、その20%は181億31百万円と計算され、つまり先ほどの西宮市財政の現状の資料にあります、平成19年度の試算財源不足累計額184億90百万円は、その標準財政規模の20%の値、181億31百万円を超えることになるので、財政再建団体制度の適用を受けるわけです。
 財政再建には、「自主再建方式」と「準用再建方式」がありますが、「自主再建方式」は起債に制限を受けるため、事実上、多くの事業が実施できなかったり、国からの財政支援や法令上の優遇措置がなくなるため、行政サービスの提供が著しく制約されます。ですので、結果的には「準用再建方式」を選ばざるを得ないわけであります。「準用再建方式」は、議会の議決と総務大臣の承認を受けた「財政再建計画」に基づいて予算編成をされますが、自主再建に比べて事業展開に対する実質的な制約が少なく、特別交付税の交付など国からの財政上の優遇措置も受けられ、継続的な行政サービスが展開できます。
 そして、財政再建団体に転落するとどのような影響があるかでございますが、【資料2-2】市税や地方交付税など経常的に見込まれる財源で賄えるような計画的管理のもとで運営され、国という「管財人」のもとでの他律的運営を余儀なくされます。つまり自治権の大幅な制限です。事例で申し上げますと、

(1)市独自で実施してきた施策はストップ
(2)使用料・手数料の値上げによる市民負担の増加
(3)地方債の制限により、市が実施する道路、下水道整備といった都市基盤整備などがストップ
(4)資金繰りの悪化による債権者への支払いや市民に対する給付への影響
(5)職員給与の減額、支払い遅延

といったことなどが挙げられます。
 今まで先輩諸氏が作り上げてきたこの西宮市を、我々の手で財政再建団体へ転落させるかどうかの瀬戸際がもう目の前に来ているのです。もし財政再建団体に転落してしまったとしたら、ひょっとすると職員や市民の意識も変わり、短期的に大幅な回復を見せることもあるかもしれませんが、我々の無能ぶりをさらけ出すことになりますし、市民の皆さんや職員の皆さんの、自信や誇り、愛着といった無形の財産が失われてしまうのです。それでもいいのでしょうか?我々の手で必ず何とかせねばなりません。
 我々議員は、この愛する西宮市のチェックを市民の皆さんに任され、職員の皆様と共にこの西宮市のために働くことを託された者です。この直面した危機に対して、我々議員も真剣に、積極的に取り組んでまいりますので、市長をはじめとする職員の皆さん、議員の皆さん、どうかこの思いを汲み取っていただき、何とか財政再建を成し遂げたいと考えております。
 それでは、一般質問に入らせていただきます。今回より、傍聴に来られている皆様のために、「一般質問回答シート」を作成いたしました。傍聴している立場ですと、何を質問して、何を答えているのか書き留められないこともありますので、内容を的確に把握していただくために作成いたしました。是非ご利用下さい。

一般質問1 
財政改善計画について

(1)「単年度収支の改善」について

【口述内容】
 【資料3】「予算と基金の推移」をご覧下さい。平成15年度一般会計の当初予算額は1,564億94百万円で、市税収入が779億41百万円と、前年度の当初予算ベースより約36億円減少している中、一般財源化できる財政基金や減債基金を54億80百万円取り崩して財源不足を補っています。
 前年度の平成14年度の一般会計の当初予算額は1,518億45百万円で、同じく財政基金等を58億42百万円取り崩して財政収支を合わせていますが、この度公表された決算見込みでは年度途中に普通交付税が約38億円増加したことにより、基金の取り崩し額は減債基金の1億52百万円だけにとどまりました。今年度は昨年度のような普通交付税の増加が見込めないと判断し、結果として残すことのできた基金残高を、平成15年度当初予算に組み入れて、再度取り崩す予定という極めて厳しい財政運営を強いられています。この予算通りに進みますと、一般財源として使える基金が、平成15年度末には減債基金の約21億円と土地開発基金の現金部分約31億円、合計52億円しか残りません。平成16年度に平成15年度と同様の額の基金取り崩しを行うならば、もう完全に単年度収支を均衡させる財源がなくなるのです。それ以外の基金は条例を変更しない限り取り崩せないことになっています。
 本市の厳しい財政状況は十分理解していますが、年度当初に基金を取り崩し、年度途中の歳入増や歳出削減により基金取り崩しを減少させるという方法がいつまでも続くものではありません。
 そこでお尋ねします。平成15年度当初予算の財政基金等の取り崩し額は54億80百万円ですが、本年度も昨年度と同様に決算ベースで基金取り崩し額を減少させることができるのでしょうか。また基金残高がほぼ底をつき、基金を取り崩しての予算編成が困難となってきますが、今後の財政運営では単年度収支の改善をはかることが必要ではないのでしょうか。このままでは赤字団体転落、財政再建団体転落は避けられそうもありません。具体的にいつから単年度収支が確保できるかについて見通しをお答えください。

【財政局長答弁】
 単年度収支の改善について、まず1点目の本年度も昨年度と同様に決算ベースで基金取崩し額を減少させることができるのかとのお尋ねでありますが、平成14年度は、普通交付税が年度途中に約38億円増加したことなどにより、一般財源化できる基金の取崩し額は、当初予算では58億42百万円でしたが、決算見込みでは1億52百万円と大きく好転いたしました。本年度につきましては、普通交付税と臨時財政対策債を合計した交付決定額は当初予算額と比較しますと、実質的には約5億円の減額となっており、市税収入の伸びも期待できませんので、本年度の基金の取崩し額54億8千万円を、前年度と同様、大幅に減少さすことは、難しい状況にありますが、今後は、予算の執行管理において徹底的な歳出削減を図り、財政基金や減債基金を少しでも多く、翌年度に残すよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の基金残高がほぼ底をついてきているので、 今後の財政運営では、単年度収支の改善を図ることが必要ではないか、また3点目のいつから単年度収支が改善できるのかとのお尋ねでありますが、各会計年度の財政運営の原則は、基金取崩し額に頼らず、その年度の収入でもって、その年度の支出に充てることが一番望ましい姿でありますが、本市が昨年12月に策定した財政計画においては、平成20年度までの財源不足額を272億円と試算しており、平成16年度以降の財政収支見通しについては、歳入では市税や普通交付税の伸びが期待できず、また、歳出面では、公債費は平成16年度をピークに緩やかに低下しますが、人口増や高齢化社会に伴う扶助費等の増大、高度情報化社会に向けてのIT関連経費の増加などを考え合わせますと、今後も厳しい財政状況が続くものと思われます。このような財政状況下にあって、多額の財源不足額を解消するには、新たな行政経営改革を進めるとともに、既存事業の見直しや徹底した歳出削減を図ることによって、財政健全化を進め、早期に、単年度収支の改善に努めてまいりたいと考えております。

(2)予算編成方式について

【口述内容】
 【資料4-1】「西宮市の予算編成方針」をご覧下さい。財務局長から出されている平成15年度予算編成の要領では、全ての予算を投資的事業と消費的事業に分類しており、更に消費的事業を個別査定経費と枠配分経費とに区分し、特に消費的経費等要求基準では枠配分経費に対して積算率、つまりシーリング枠ですね、を掛けてさらなる経費削減に取り組んでおられます。また、市長から出されている平成15年度予算編成方針では、このように書いてあります。『「第2次西宮市行財政改善実施計画」に基づき別途指示する既存事業・諸施策の見直しをはじめ、引き続き枠配分方式による消費的経費の節減など徹底した行財政改善を進め、赤字団体への転落阻止を図らなければならない。』と。【資料4-2】
 一つ目の質問で申し上げましたように、単年度収支の改善を図ることが一番必要だと思うのですが、現行のこの予算編成方式では、単年度収支を図るのには限界があるのではないでしょうか。
 ここで、東京都足立区の例として、包括予算制度を紹介させていただきます。【資料5】この制度は予算枠の配分に留まることなく、職員定数や行政評価も含めたことに特徴があり、これにより予算の査定や執行などの権限が、大幅に各部の長に移譲され、その決定は各部の責任と判断により行われます。「部」は部長を中心とした自立的組織へと転換し、創意工夫による区民サービスの更なる向上を目指すことになります。
具体的には、区の全ての事業を投資的経費と経常的経費に分類し、公債費を除く人件費を含んだ経常的経費について財源を配分します。各部においては、こうして配分された一般財源と各部で歳入する特定財源の合算額を部の歳入総額とし、この範囲の中で歳出予算の積み上げを行います。更に特徴的なことは、予算執行に関する権限の委譲に伴い、実質収支の黒字部分については、翌年度以降の予算枠に加算するというインセンティブを与えていることです。
 それでは質問に移りますが、まず本市の現在の予算編成についての質問です。現在、消費的経費を個別査定経費と枠配分経費に区分し、予算編成をされておりますが、その内容及び割合、その特徴と効果をお聞かせ下さい。また節減効果やインセンティブ効果のある枠配分経費の比率を高めるお考えがあるのか、ないのかお答えください。
 また今、ご紹介した包括予算制度をどのようにお考えか、また実施される可能性があるのか、ないのかお伺いいたします。

【財務局長答弁】
 予算編成方式について、まず、1点目の予算編成においては消費的経費を個別査定経費と枠配分に区分していますが、その内容及び割合、また、特徴と効果についてのお尋ねでありますが、本市は、平成12年度当初予算より従来の積み上げ方式から、消費的経費を個別査定経費と枠配分経費に区分して査定する枠配分方式に改め、予算編成を行っております。このうち個別査定経費は、超過勤務手当を除く人件費、扶助費、公債費などの義務的経費及び補助対象事業や受託事業、実施計画で承認された新規施策などの経費とし、事業ごとに査定を行います。これ以外の経費は、すべて枠配分経費に区分し、事業ごとにシーリング枠(前年度の当初予算額に削減率を掛けて算出した要求限度額)を設定して、事前に各局に通知し、要求枠の範囲内で予算要求書を提出してもらい、枠を超えた要求は認めないこととしています。
 なお、枠配分方式を導入することによって、財務局では予算編成における事務の簡素化が図られ、各局では、創意工夫や節減などにより捻出された一般財源を、枠の範囲内であれば自主的な判断のもと、予算要求することが認められております。また、使用料、手数料等の特定財源の各課の徴収努力による増額分についても、その一部を予算要求額に上積みすることを認め、すなわちインセンティブを与えることによって、歳入確保の重要性や各局への自立的な予算への取組みを促すものであります。
 次に、2点目の枠配分経費の比率を高める考えがあるのかとのお尋ねでありますが、個別査定経費と枠配分経費の割合は、個別査定経費には人件費や公債費が含まれていることにより、現在、概ね8対2となっております。枠配分経費については、各局が要求枠の範囲内であれば自主的、自立的な予算要求をすることができる経費を区分するものであり、過去4年間の積み上げにより現在の比率となっていますが、今後は、枠配分経費の比率を高めることよりもその中味、内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
 3点目の包括予算制度についてでありますが、この制度は、東京都の足立区で実施されているものであります。ご存知のとおり東京都も東京都23区も全て不交付団体であります。
 包括予算制度は、予算枠の配分のみに留まることなく予算の査定や執行などの権限を大幅に各局の長に移譲し、その決定は各局の責任と判断によって行われます。このような包括予算制度を実施するには安定した財政基盤の構築が必要であります。
 現在の本市の財政状況においては、単年度収支の改善が財政運営において最も重要であり、当分の間、枠配分方式を続けざるを得ないと考えております。しかしながら、今後、単年度収支の改善がなされた場合には、現在、実施している枠配分方式、包括予算制度などあらゆる予算編成方式を検討し、効率的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
 ご理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。

一般質問2 
組織改革について

(1)「行政システム改革の進捗と組織内モチベーションの向上」について

【口述内容】
 行政システム改革とは、1994年ごろに神奈川県や東京都が機構改革を含む改革として、そして1995年ごろには群馬県や新潟県が分権時代に対応する意味で、システム改革という言葉を使い始めたのが始まりです。【資料6】行政システム改革には、このように3つのステップがあります。第一段階は財政破綻を避ける言わば「緊急外科手術」としての人件費や事業費のカット、借金の抑制、外郭団体の組織見直しなどの減量政策であります。しかし、減量政策が行き過ぎると自治体からやる気を失わせ、住民本位の行政とは程遠い結果をうむことが予想されます。そこで第二段階として、役所組織のモチベーションを高める改革が必要となるわけです。組織の目的意識を明確にし、成果主義のマインドを定着させる一方、セクション別の縦割りではなく、全庁的な政策論議の積み重ねに基づき、役所全体の意思決定を行う改革であります。
 現在の本市をこの「行政システム改革」の3ステップに当てはめるならば、第二段階に少しかかったかなという段階であります。第一段階において、財政状態が悪化する中で、職員の処遇なども引き締められてきました。また最初の財政改善計画でお話したように、さらなるコストダウンを図らなければ、先ほど申し上げました、単年度収支を確保することはおろか、財政再建団体に転落することが目に見えています。こういった中でも職員は毎日働き続けるのです。しかし、その働くことの意義や目標、やりがいなどがなければ、質の高い対住民サービスを提供することは叶いません。今こそ、予算編成や人事制度の改革を通じて、役所の縦割り意識の打破、成果主義の定着などを実施し、組織内のモチベーション向上を図らねばならないと思います。
 今年度まで実施されている「第2次行財政改善計画」におきましては、歳出面において内部管理経費の削減、人件費の抑制などにより財源を捻出される努力をされてこられました。平成16年度からの「第3次行財政改善計画」が策定される直前の現在において、お話させていただいたような行政システム改革の第二ステップへの取組みが是非必要と考えます。例えば、予算編成においては1(2)でお話したように、包括予算制度などを利用する、あるいは給与規定の改定により職員個人の職務評価によってインセンティブを与えるなどの人事制度の改革も必要と考えます。そこでご質問致します。これから策定される、「第3次行財政改善計画の構想」を中心に、組織改革における役所組織のモチベーション向上についてどのようにお考えなのかお聞かせ下さい。

【市長答弁】
 組織改革についてのご質問のうち、行政システム改革と組織内モチベーションについて、私からお答えいたします。
 第2次行財政改善実施計画は平成15年度の最終年度を迎えております。5カ年の計画では職員数の抑制や特殊勤務手当等の廃止など総人件費を抑制して参りました。
 また、内部管理経費の節減、事務事業の見直しや、受益者負担の適正化など歳入歳出全般にわたる取り組みを進め、平成15年度までの5カ年間で、260億円の効果額を生み出せる見込となっております。
この取組によって、少子高齢化の進展や人口の急増などの新たな行政需要にも対処することができたのではないかと考えております。
 これから取り組もうとする行政経営改革では、従来の画一的な管理型行政運営から、権限と責任をもって地域の実情に応じた行政を行ってゆく分権時代に相応しい経営型行政運営への変換を目指し、行財政運営の仕組みそのものを改革するための計画の策定に取り組んで参りたいと思います。
こうした改革により、庁内のモチベーションも高まるものと考えております。
御理解賜りますよう、お願い申し上げます。
【総合企画局長答弁】
 行政システム改革の進捗状況と組織内モチベーションの向上について、市長が答弁いたしました以外の点についてお答えをいたします。
 新しい行政経営計画の策定にあたりましては、「民間企業における優れた経営手法や事例を行政の分野において適用可能なものについては積極的に導入し、行政部門の効率化や活性化を図ることを目指す」という、新しい公共経営の考え方を導入することといたしております。
新たな行政経営改革の取組では、最適な事業の選択を可能とする行政評価システム、それを支える予算システム、成果を重視する目標管理システム、人的資源である人材を育成し、その能力を最大限活用できる人事システムが相互に連携し合い、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源が有効に活用される仕組みを作り上げる必要があります。
 これらを機能させるためには、予算の配分、職員の配置、組織の編成など従来、管理部門で集中的に扱っていた事項を各部門に移譲し、各部門が権限と責任をもって施策を立案し、事業を推進し、同時にそのための組織を運営することも重要な要素となってくるものと考えております。
 一方、職員がより活発な論議や提言ができる仕組みや環境を整備することも必要です。その前提となるのが、知識・情報の共有化であり、それを支えるのがIT化と組織のフラット化であります。
 また、能力や業績が評価される人事制度なども必要であり、こうしたことが一体となって、組織内モチベーションを向上させていくものと考えております。
 今後、行政経営改革で取り組む具体的な項目の整理を早急に行い、本市のもつ経営資源を最適に配分し、外部環境の急激な変化にも即応できる行政システムの構築に向けて、計画策定に取り組んでまいりたいと考えております。
 ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

(2)組織フラット化の試みについて

【口述内容】
 組織フラット化の導入につきましては、民間企業が先行してその導入を図ってきましたが、自治体でも三重県、広島県などがその導入に至っています。なぜ、多くの自治体が「組織フラット化」を導入、推進しようとするのか。一つには、スピーディーな情報伝達や意思決定が求められる時代になってきたことが挙げられます。また、日常の定型業務をこなしていくことには適していた従来の年功序列型の人事管理制度では、必要な改革がタイミングよく実施できないからであったり、あるいは一つの案件に対し、説明、報告、協議、決済などに時間と手間がかかるという面があったからです。この変化の激しい環境や多様化する市民のニーズに的確に、しかもスピーディーに対応するためには、この「組織フラット化」は特に有効に働くと私は考えます。
 ここで広島県の「組織フラット化の手法」についてお話させていただきたいと思います。ポイントは3つあります。【資料7】

(1)中間管理職(部次長、課長代理、課長補佐)の廃止
(2)目的志向型の組織再編
(3)「係」制の廃止〜グループ制の導入〜

 (1)の中間管理職(部次長、課長代理、課長補佐)の廃止は、「縦に長いピラミッド型から、よりフラットな組織への転換による、意思決定プロセスの簡素化」と、「権限配分と責任の明確化(総室長、室長の設置)」を目的としています。これにより、事業の執行に係わる基本的な事項は、室長が判断し完結できるよう、これに必要な予算の執行や事務の決裁権などを持つこととなりました。
 (2)の目的志向型の組織再編は、具体的に言うと「『課』制を廃止し、小規模な『室』への移行」と「施策目的を大括りにした『総室』の設置」を行ったうえで、施策目的実現の迅速化、意思決定の迅速化、専門性の向上を目的とします。そして、総室長による総室内および他部局との施策調整を図ることにより、行政の総合性をも確保します。
 (3)の「係」制の廃止〜グループ制の導入〜 は、「『係』という硬直的な組織を廃止し、機動的・弾力的な組織運営へ転換」と、「室長が直接担当者を指揮監督することにより、迅速な事務処理を推進」を目的としています。
 翻って、現行の本市の組織形態においては、一部チーム制を取っているところもありますが、未だピラミッド型の階層社会であり、ボトムアップ式に意思決定がなされています。縦割り組織になりがちで、必要な改革を即断できず、お役所仕事と言われる形式主義に陥りやすいのは、このためではないでしょうか。そこでご質問いたします。お話したような「組織フラット化」を推進していただいて、権限と責任を委譲し、組織を管理型組織から目標指向型組織へ転換すること、また現在の課制からチーム制に切り替えるような組織づくりを推進していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

【総合企画局長答弁】
 地方自治体は、少子・高齢化や地方分権、市民への説明責任や電子自治体の実現など、多様化・高度化する膨大な行政需要に対し、弾力的かつ効率的な行政運営を推進しなければならない状況に置かれているところございます。
 こうしたことから、本市においても常に組織の見直しを行っておりますが、昨年度に総合企画局を設置するなど局の再編を含む大幅な組織改正を実施いたしました。
 特に、総合企画局においては、企画部に、3人の課長職を配し、事務の分担及び職員の配置も機動的なものとし、相互に有機的な連携をしながら、部長のもとで企画、調整、行政経営改革の機能を発揮しながら、諸課題に取り組めるよう配慮いたしました。
 さらに、本年4月には、この企画部の3人課長のもとでグループ化をさらに推進するとともに、開かれた電子自治体の実現に向けて様々な課題に、柔軟かつ機動的に取り組めるよう、総務局の情報化推進部に情報化政策と情報システムを担うグループの長として2人の課長職を設置したところであります。
 目標指向型組織への転換をというご提言をいただいておりますが、予算、職員、情報などといった限られた経営資源を最大限活用し、市民満足度の高い行政運営を実現していくことは極めて重要な課題であります。こうした市政を実現していくため、職員の創造力や課題解決能力の育成とともに、動態的組織や課題解決型の組織の活用を推進してまいりたいと考えております。
 また、フラットな組織としてのグループ制あるいはチーム制などには、「組織の細分化によるセクショナリズムが排除できること」、「意思決定の迅速化が図られること」、「職員の機動的な配置が可能であること」などといった長所がある一方、「課の規模を大きく括る必要があることから、グループやチーム間の調整業務が増加すること」、「複数のグループ等に属すことがあるため、一人の職員に複数の命令が集中すること」、「リーダーの負担が大きくなること」などの短所のほか、職階制のあり方や人事面での処遇などの課題も有しております。
 いずれにいたしましても、今後、こうした課題などにも検討を加えながら、順次グループ制の拡大を図るなど、自己決定・自己責任の地方分権時代に対応できる組織の改革に努めてまいりたいと考えております。

一般質問3 
土地開発公社の件

(1)保有土地の将来の使用見込みと有効利用について

【口述内容】
 本市土地開発公社は、昭和48年3月に設立認可を受け、公共用地、公用地等の取得、造成、管理処分を行うことにより、地域の秩序ある整備と市民福祉の増進に寄与することを目的として、設立をされました。本市公社もその定款の目的どおりに、土地が高騰する前に先に手を打っておく、あるいは公共事業の用途として先に確保しておくなどの、公社の主たる目的を果たしてまいりました。しかし、1990年前後のバブル期以降、当初の取得計画通りに事業が定まらないなどの理由により、ある物件に関しては長期に渡る保有が続いて、現在では巨額の債務負担を抱えている状況でございます。
 お手元の【資料8】をご覧下さい。現段階で把握している債務負担額は平成24年度までに、取得価格部分106億79百万円、利子分8億24百万円、合計114億92百万円を返済する計画になっています。また平成15年9月末の公社の保有している土地は、面積にして31,880m2、取得価格にして60億95百万円の土地が残っています。本議会第21号議案補正予算における「仮称上大市保育園」の約1, 000m2は、結果として保有期間が13年に及び、8億77百万円で取得したものが、今までの銀行借り入れの利子分4億11百万円と今後10年にわたる償還の中で発生する利子分を合わせて、約15億円超で買い取ることになりましたけれども、ようやく使途が決まりました。ご存知のように、使途が決まらない間、ますます債務負担額は増大していきます。そこでご質問致します。現時点で保有している土地を今後どのような用途に使用される予定なのか、一つ一つの物件に対し、計画や構想も含めて詳しくお答え下さい。また債務負担額の軽減を図るために、一時的な有効利用などが必要であると思いますが、いかがでしょうか?既に有効利用されているもの、されていないもの含めて、現状と今後の方針についてお答え下さい。

【財政局長答弁】
 先ず、1点目の公社保有土地の将来の使用見込みと有効利用についてのお尋ねですが、土地開発公社は『公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)』による市の全額出資の特別法人であり、業務はあくまで公共用地の先行取得と当該土地の管理が主たるものであります。市の依頼に基づき公社が先行取得した土地は、買戻しにより処理されるのが原則ではありますが、長期保有となっている土地は、市街地整備用地や山口区画整理用地及び代替地などとして取得した土地が事業の進捗にもかかわらず、本来目的に利用されなかったのが主な理由でございます。
 現在、公社が長期保有している土地は本議会に買戻し予算として上程しております上大市4丁目の土地、約1,000m2を除いて31,880m2あり、その内訳は道路用地が約160m2、市街地整備用地が約3,800m2、北口北東区画整理関連用地が約1,800m2、公共目的用地が約4,670m2、代替地が約600m2、山口区画整理用地が約20,800m2となっております。
 公社保有土地の処分計画は、道路用地については、年次的な補助認証後に市が買戻し、北口北東区画整理関連用地については、換地により処分可能になれば宅地分譲等で処分を進めて参ります。また、公共用地については、市が買戻し、代替用地については、宅地分譲、代替用地として処分し、山口区画整理用地については、継続して宅地分譲を進めて参りますが、ここ数年間は、経済不況と地価の下落などにより処分できない状態が続いております。市街地整備用地の上大市4丁目約1,500m2、高畑町約2,300m2については、代替地としての利用が困難となっており、今後、どのような土地利用が可能か、関係部局と協議するとともに、市の財政状況を勘案しながら買戻し時期を検討して参ります。なお、市が買戻すまでの間、土地の一時的な有効活用を図ることについては、支障のない範囲で今後検討して参りたいと考えております。

(2)増大する債務負担額と先行取得の政策判断などについて

【口述内容】
 先ほど先行取得した土地の使用用途が決定しない間に、空転保有した状態が続けば、負担利子額がますます増大していくことをお話しましたが、その累積する負担利子と保有期間の関係についてどのようにお考えでしょうか。現在の市の債務負担の許容度、あるいは今後の対策など含めまして、お考えをお聞かせ下さい。
 また、取得価格を大幅に上回る巨額の債務負担額を生んだ背景として様々な要因があると思いますが、過去の先行取得の際における政策判断についてどのようにお考えでしょうか。さらに今後どのような基準を持って先行取得の政策判断を下していくおつもりなのかお聞かせ下さい。
 また、債務負担額を決定する際の将来の金利設定について(今回の上大市の件は翌年度以降3%でした)、どのような基準をもって決められているのか、お聞かせ下さい。

【財政局長答弁】
 次に2点目の増大する債務負担額と先行取得の政策判断等についてのお尋ねですが、先ず、累積する負担利子と保有期間との関係については、債務負担行為を設定することなく、市が依頼して取得した土地は、市が買戻さない限り利子が増え続けますが、この利子の増嵩を抑えるためには、市がすみやかに買戻すか、低金利の借入れを図る必要があります。
 過去の先行取得の際における政策判断はどのようであったかですが、先ず、地域での面整備の上から上大市区画整理事業や山口区画整理事業また、公共事業を進めていくためには、事前に用地を確保しておくことが必要であり、このため、公社が先行取得したという経緯がございます。しかし、バブル崩壊後、これら取得した土地が処分できず、現在まで保有することになり、結果として長期保有土地となったものであります。今日まで処分できず長期保有となったことについては、やむを得ない事由とはいえ、厳しく受け止めております。既に平成4年度からは新たな代替地としての長期保有土地が発生しないようにしております。
 今後、どのような基準で先行取得の政策判断を下していくかとのお尋ねですが、公共用地の先行取得は、平成13年度より債務負担行為としての予算措置を図り、市議会の承認を受けることによって新たな長期保有の土地が発生しないよう努めております。
また、債務負担行為を設定する時の翌年度以降の金利は3%としていますが、その判断基準は、今回の9月補正予算の事例では、当該年度の金利を1.5%とし、翌年度以降を3%としております。債務負担行為は事項、期間、限度額を設定し、予算議決を得るものですが、翌年度以降の金利については、市と公社が協議して、債務負担行為期間9ヵ年の金利変動を見込み、限度額をオーバーしないと思われる3%を設定したものであります。
 ご理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。

一般質問4 
失業者対策と社会人教育制度の確立について

(1)就業促進のためのスキルアップ講座の拡充について

【口述内容】
 【資料9】まず、国からの特別交付金事業として行われている「西宮市 緊急雇用創出事業」についてお話します。同緊急雇用創出事業は、平成14年度から平成16年度の3ヵ年で、合計4億30百万円の特別交付金を受け、本市各局にて、委託事業や直接事業として実施されています。しかし、その雇用は1ヶ月から9ヶ月までという、1年に満たない短期雇用であって、益々増大している失業者の対策としての根本的な解決には至っていません。最近のデータによると、近畿の完全失業率は6%に達し、前月比などから見れば若干の改善は図れているものの、まだまだ予断を許さない大変な状況にあることは間違いありません。西宮市を管轄するハローワーク西宮の最新の業務月報によりますと、有効求人倍率は0.35、就職率は約3%で今年度は推移しています。求職者は13,000人に達し、西宮市の15歳以上の労働力人口約20万人の6.5%が失業状態にあるか、あるいは求職活動をしているということになります。
 このような状況下、本市では独自で失業者対策、言い換えれば就業支援対策として、どのようなことをされているのか調査したところ、労働相談と「パソコン教室」、「簿記講習」を開講しているだけでありました。「文教住宅都市宣言」を行った教育都市「西宮市」としては、あまりに寂しいと感じるし、就職支援のための内容としては貧弱だと感じます。また予算額も平成15年度で年間120万円しか投入されていませんでした。ちょっとした私立大学の1人分ですよ。現在では新規就職及び再就職の際には、専門的知識が求められる時代に変わりつつあり、ますます広範囲での社会人教育の必要性が高まっています。こうした背景から、さらなる就職促進のために講座の拡充が必要であると考えますが、いかがお考えでしょうか?
 失業者を就労させるツールを充実させることによって、失業者の精神的、経済的安定につながるのであれば、それは行政にとって大きな喜びであると思います。また就労して、改めて「優良な納税者」として勤労することによって、行政の健全財政にもつながると思います。このように、健全な労働環境を形成するためのサポートは、行政サービスの大きな役割であると考えますがいかがお考えでしょうか。

【市民局長答弁】
 第4点目の失業者対策と社会人教育制度の確立についての御質問にお答えいたします。
 まず、就業促進のためのスキルアップ講座の拡充についてのお尋ねであります。
 ご指摘のとおり、現在も厳しい就業環境が続いておりますが、ご承知のとおり、雇用・失業対策は国の事務とされ、基本的に厚生労働省の施策により進められております。
そうした状況ではありますが、市では、従来から就業促進の側面的支援としまして、「働く人のための講習会」として、「パソコン講座」「簿記3級講習」を実施しております。
 平成14年度では「パソコン講座」を定員40名、3期開催し、「簿記3級講習」は定員40名、1期開催しました。厳しい雇用情勢、経済情勢も反映して、両講座とも、毎回、定員を上回る応募をいただいております。
 特に「パソコン講座」については、昨年度より、講習時間を増やし、内容も初級から中級レベルに格上げするなど、内容を充実させております。
 今後とも、勤労者、の方々のニーズを把握しながら、内容の充実、見直しを図っていきたいと考えております。

(2)社会人教育制度の確立について」

【口述内容】
 現在、文化的な講座などは公民館などを通じて、多様な講座を開講されておりますが、現役の就業者のスキルアップにつながる自己啓発講座は、市の行政として開催しているものは、先ほどの「パソコン教室」などを除いて、ほぼ皆無であります。昨今の民間会社では、従来の「社内で人を育てる」という意識、つまり充実した社内の研修制度が、コスト削減などによって必要最低限のものとなり、会社内で勝ち抜いていく、またはその業界で生き残って行くには、自らが自己研鑽・自己啓発をし、さらなる専門知識を身に付け、スキルアップを図らなければならない時代になって参りました。また一方で、技術力の向上や、IT技術の発達により、労働生産性がますます高まっていく中で、人を労働力として必要としない時代になってまいりました。
 そういった背景を踏まえ、各種専門学校では盛んに「専門資格取得」を謳って、多くの受講生を募っています。就業環境の変化から、そういった必要性が今後ますます高まっていくことは容易に想像できることとなって参りました。若年層の高い離職率や高位で推移する失業率に対し、本市が取り組むべき就業における側面的支援に必要なものは何か。他市とは一味違う「特色あるまちづくり」の一環として、社会人教育にも積極的に取り組むべきではないでしょうか。
さて、このような環境の中、行政としていったい何ができるのか考えてみました。まず西宮市だからこそできるのではないか、あるいはしなくてはならないのではないかと思うことがあります。それは
(1)「文教住宅都市宣言」を行った、教育都市「西宮市」にしては、社会人に対する「スキルアップ」や「独立支援」のための教育制度があまりに未発達であることから、
(2)失業者が増加する中、失業者を救う支援のみならず、「失業者を発生させない予防措置」、「就職率を高める措置」が必要というものです。
 つまりこれは、本市の就業支援対策の一段のレベルアップを期待するものです。例えば、「パソコン講座」にしても、Webデザイナーや情報処理技術者試験への対策などが具体的にできれば良いと考えます。その他、医療・福祉系では、ケアマネージャー資格、介護福祉士、建築・不動産系では、インテリアコーディネーター、マンション管理士、宅地建物取引主任者、その他ファイナンシャルプランナーなど。専門学校で開講されているような、とても高度な講座を期待しているわけではありません。労働者間の熾烈な生き残りをかけた就業環境において、市民の皆さんに対し、一歩前に出るための支援が行政でできれば、/また独立ができる準備段階から行政支援をすることになれば、「西宮市に住んで良かった」ということになるのではないでしょうか。
 以上のような状況を踏まえ、社会人に対する教育制度について、本市はいかがお考えでしょうか。お聞かせ下さい。
 以上で壇上からの質問を終わります。ご答弁によりましては自席より再質問・要望等を申し上げたいと思います。ご静聴ありがとうございました。

【市民局長答弁】
 厳しい雇用情勢の中、特に若年層の失業率が高くなっており、その一方で大学、高校を卒業して就職した方の離職率も年々、高くなっております。
 ご指摘のとおり、変化の激しい時代の中、社会人としての様々な分野での専門知識を身につけることは非常に重要であると考えます。
 本市の講習会の対象者も、受講した勤労者のほとんどが西宮在住者であり、市民に対する社会人教育制度としての役割も一定程度果たしていると考えております。
 多種多部門にわたる専門的知識のすべてを市が提供することは、困難ではありますが、「文教住宅都市」西宮市として、社会人に対してのスキルアップとしての、さらなる知識取得は必要と考えております。
本年は、就職支援事業として、国・県が実施するキャリアカウンセリング事業や、若年者向けのキャリア形成支援講座について、西宮での開催を誘致すると共に積極的に協力してまいります。
 また、今後、本市の講習会もニーズに合ったものとなるよう努力すると共に、職業訓練所での訓練内容や、就職に結びつきやすい技能などの調査をし、社会人向けの講習として何が必要であり、何に取り組むべきかについて、調査、研究を行なってまいりたいと考えております。
 ご理解賜りますようお願い申し上げます。

答弁後の意見・要望

【口述内容】
 ご丁寧なご答弁を賜り、誠にありがとうございます。それでは、今の質問のご答弁を受けまして、時間の許す限り意見・ご要望を述べさせていただきたいと思います。順番は異なりますが、大きな2点目からお話させていただきます。

 まず、大きな2点目組織改革の1点目でございますが、ご答弁で「従来の画一的な管理型行政運営から、権限と責任をもって地域の実情に応じた行政を行っていく分権時代に相応しい経営方行政運営への転換を目指し、行財政運営の仕組みそのものを改革するための計画の策定に取り組んで参りたい」、や「行政経営改革で取り組む具体的な項目の整理を早急に行い、本市の持つ経営資源を最適に配分し、外部環境の急激な変化にも即応できる行政システムの構築に向けて、計画策定に取り組んで参る」との、お言葉をいただきました。しかし、もう一度よく考えていただきたいのは、この組織変革、行政経営改革を一体何のためにするのかということです。例えば冒頭にお話しました、「財政改善計画」この「財政改善のために組織改革が是非とも必要」なのか、あるいは本当に行政執行の中で「現状の組織では新しい時代に向けて対応できない」なのか、あるいは「他の地方公共団体がやっているから、追随するのか」、あるいは「時代の流れに逆らえないから」なのか、それとも「議員の外圧があるから」なのか。私が思うに、当局の皆さんに絶対念頭においてほしいものは、まず「危機的な財政状態」にあるということ、これを克服しつつ、さらなる行政サービスの向上を成し遂げなければならないと言うことです。財政的に余裕のない中で、「変に手間ばかりが増えるような組織改革を行って、果たしてどうなるのか」と思う気持ちがあることも理解できますが、そんな危機をチャンスに変えて、しっかりとした目標を定めて、必要な改革を推進していって下さい。
 そして大きな2点目組織改革の2つ目、答弁の中で、フラットな組織は「長所もあるし、短所もある」ということについて言及されておられましたが、現在の体制におかれましても当然、長所と短所があるはずです。各地方公共団体で既に実施していたり、本市でもこれだけの研究が進んでいるのですから、後は変革に向かってのエネルギッシュな行動と勇気一つだと私は思うのです。現在はスピードの時代です。是非、その改革をスピーディーに推進していってほしいと思います。

 次に大きな3点目の土地開発公社の件でございますが、繰り返すようですが、土地開発公社が長期保有している土地は、何の利用もせずに放置することが続けば、今現在も、1日1日債務負担の額が増大していきます。大変厳しい財政状況ではありますので、いち早く長期保有土地の目的利用をしていただくか、有効利用を図る、さらには低金利での借り入れによって、税金を無駄の無いよう使っていただきたいと思います。
 また債務負担行為設定時の、翌年度以降の金利ですが、現在では3%と設定されております。その根拠は市と公社の協議と言うことですが、これではどんな協議をしたのかわかりません。結局「3%ぐらいでいいんじゃない?」で決まったんじゃないでしょうか。詳細な根拠ははっきりしませんでした。3%を超える事態になれば、また当たり前のように新たに補正予算を組むのでしょうが、そんな堂々巡りをして、その都度市民に負担をかけるということで良いのでしょうか。公社では金融機関からの借り入れを短期プライムレートで設定していると伺いました。それでは今からちょうど10年前の1993年の短期プライムレートは、何%だったのでしょうか。【資料10】をご覧下さい。4%を超えていたのです。決して3%が妥当とは言えませんし、限度額をオーバーしないという根拠がありません。もっと明快な根拠をもって行動してもらいたいと思います。
 さて、国内金利の動向については、様々な金融関係アナリストなどの長期金利の展望から調査いたしましたところ、現在のような日銀の相次ぐ量的緩和策が続く限り、短期金利の上昇は予想しがたい状況とありますが、政府の日銀の金融政策や景気の動向によってどのような金利推移を見るかは、当然誰にもわかりません。ならば、そのような不安定要素を取り除くための対策をなぜ取らないのか、ということになります。昨今では金融デリバティブ商品などを用いて、企業は様々なリスクに対して手を打っています。例えばわかりやすい例として「天候デリバティブ商品」を説明します。今年の夏は関東以北では冷夏でした。企業は当然暑い夏を想定した様々な商品売り上げを見込みました。しかし、冷夏の影響で商品の売り上げが落ち込みました。例えばクーラーを製品として売っているメーカーなどはまさしくそうです。しかし、そんな時でもこのようなデリバティブ商品でリスクヘッジをしておけば、見込み損失のある程度は回収できるのです。天候のように、誰にもわからない要素は、営業的には非常に危険な要素と言えます。そんなリスクヘッジをするためには、デリバティブ商品は打ってつけの商品なのです。
 翻って、本件の3%というリスクをヘッジするための対策が必要ではないかと考えました。本件の金利設定だけでなく、様々なリスクに対応していくことも、市民の生活を守る行政にとっては大事なことではないでしょうか。今後のさらなる研究をお願いしたいと思います。

 大きな4点目失業者対策と社会人教育制度でございますが、失業者への就業支援対策の講座拡充については、求職者の方々のニーズを把握しながら、内容の充実、見直しを図っていくこと、そして社会人教育制度においては、就職に結びつきやすい技能などの調査をし、社会人向けの講習として何が必要か、何に取り組むべきか、今後調査・研究を行っていくということのご答弁をいただきました。是非、検討・研究の後に実施しましたという報告をお待ちしております。前の一般質問でも申し上げましたが、「西宮オリジナル」というものをどんどん作ってほしいとご要望申し上げました。我々議員も市民も「こんなことするのん西宮だけやで」と誇れる行政サービスがあってもいいのでは無いでしょうか。「西宮市ならではの行政サービス」。これを軸に今後も様々なご努力をお願いいたしたいと思います。

 最後に大きな1点目の財政改善計画でありますが、現実的な財政状況をしっかりと把握され、今後の財政運営においても大変厳しい状況であることは理解ができました。また新たな行財政改善計画の策定において、徹底した歳出削減を図ることによって、財政健全化を進め、早期に単年度収支の改善に努めるとのお言葉もいただきました。しかし、理想論だけでは何も改善致しません。再度申し上げますが、このままでは1、2年で赤字団体へ転落するだろうし、4,5年のうちには財政再建団体へ転落するという、まさに大変な問題が目前にあるのです。市長、この件について本当に真剣に考えていただいているでしょうか。市長は来年の秋に4年の任期を迎えられます。次の市長選にご出馬されるかとかは存じ上げませんが、仮に次の市長選に出馬、再選されて、現在財政の現状(后砲濃郢擦気譴討い覺限、平成20年まで仮に市長でおられるとしたら、その間に単年度収支は確保できますか?単年度収支が確保できないまま、赤字団体に転落、さらには財政再建団体に転落するという事態になったとしたら、次の世代や、次の市長に大変な重荷を残すことになりませんか?執行せざるを得ない行政サービスが増えていることはわかります。しかし、無い袖を振って、全部やっていこうというのはおかしいと思います。市民への痛みが必ず発生しますが、優先順位を付けて、思い切って下位の案件を切っていくということを断行して下さい。それが経営ってもんじゃないですか?毎年50何億もの基金を取り崩さなければやっていけない行政規模というのは、まずいですよ。せめて、税収等が入った分の中でやっていこうという規模へ持っていこうとしてください。そして単年度収支を市長在任中に絶対確保してください。この財政再建無くして、本市の行政サービスの向上はあり得ません。市民の皆さんや、今回の議会でも多くの議員などから言われているように、本市にはまだまだ多種多様なニーズがあるということを、当局の皆様はよくご承知されておられると思います。何が何でも「単年度収支の確保」、これを絶対に成し遂げなくては全ての話は始まりません。どうか、今までになかったようなドラスティックな変革を成し遂げていただいて、私たちの街「西宮市」のために、全力を尽くして本市の財政再建を必ずやり遂げましょう!

 さて、最後に申し上げたいのですが、山田市長はよく「変革」とか「改革」という言葉をよく使われます。「変革」「改革」という言葉は、英語で言うとchange ,reform ,revolutionに当たります。またよく似た言葉で「変化」という言葉がありますが、「変化」は英語で言うと簡単に言うと同じくchangeという単語になりますが、他にはtransferという単語になります。山田市長の行政方針の2ページ中段には「変革してまいりたい」とあります。変革という言葉にふさわしい、平成の、山田市政のrevolutionが実行されているでしょうか。Transferという移行、つまり物事を「A」から「A’」に変えるような「変化」ではないでしょうか。Revolutionは変革、大きな改革であります。「A」のものを「Z」に変えるようなことを変革と言うのではないでしょうか。

 話は逸れましたが、今までになかったことをして初めて「変革」です。「変化」からでもいい。結果として「変革」になっていればいいのです。山田市長が西宮市長でいる限り、環境が激しく変化すればするほど、市民は、議員はその一挙手一投足を見ています。是非とも、山田市長の強力なリーダーシップで、この難題の財政再建をはじめとする様々な施策を成し遂げていただきたいと思います。
 長くなりましたが、これで甲雄会 栗山雅史の一般質問を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

兵庫県議会議員 くりやま雅史 - 議会活動/一般質問/2003年9月17日 一般質問内容

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