兵庫県議会議員 くりやま雅史
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議会活動一般質問(西宮市議会)2011年2月25日 一般質問内容

2011年2月25日 一般質問内容


【口述内容】
 西宮グリーンクラブの栗山雅史でございます。傍聴にお越しいただきました皆様、本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。


(1)西宮北口駅南西地域の今後の開発について

【口述内容】
 まず一つ目は、西宮北口駅南西地域の今後の開発についてであります。
 西宮北口周辺地域は、本市の都市核の一つとして、震災復興の再開発や区画整理等のまちづくりなどによって、計画的かつ総合的な都市拠点整備として市街地整備がなされてきました。駅北東の道路が狭かった北口市場は、アクタ西宮として大型複合施設になりました。南西には、兵庫県立芸術文化センターやプレラ、そしてマンションなどの住宅が建ち並び、さらに南東では、阪急西宮ガーデンズがオープンしました。北西地区においては、住民等で構成された街づくり協議会によるまちづくり提案をもとに、安全・安心、にぎわい、景観等をコンセプトに、既存の町並みを発展させるまちづくりとして整備が行われている状況にあります。既に地下式自転車駐車場を含む駅前公園の整備が完了し、現在は、津門川両岸の修景工事を実施中であります。このように、今では多くの市民や市内外からの来訪者が集う活気のある魅力的なまちとなり、本市の中心市街地にふさわしいにぎわいを見せております。これらが完成いたしますと、北口駅周辺の4象限のまちづくりは、震災から約16年に及ぶすべての事業を終えることになります。16年に及ぶ住民の方々や市などのまちづくりに対する熱意と御努力に、この場をおかりいたしまして、改めて敬意を表したいと思います。
 しかしながら、本市の都市核である北口周辺地域とJR西宮駅周辺地域を結ぶ箇所に当たる深津地域などでは、まだまだ未利用地が多数存在しており、今後の行く末が気になるところであります。同地域は、金鹿さんや協和発酵などの工場が撤退し、つい最近では、古くからの生コン工場も撤退し、大規模な未利用地がさらにふえることになりました。そんな地域に、最近になって、もともと西宮市内にあったトヨタディーラー店が移転、建設中であり、ほかにもマンション開発事業が具体化されようとしているなど、今後は本格的な開発が進んでくるものと思われます。北は山手幹線、南はJR、西は今津西線、東は名神高速道路に囲まれた、東西に約700メートル、南北に約350メートル、面積にして約24.5ヘクタールという既存の大きな街区の土地の利用形態が大きく変わろうしている今、適切な用途地域への指定の改定や、民間開発事業への適切な誘導、指導が必要ではないでしょうか。
 また、同地域にある深津小学校は、現在は児童の受け入れ困難地区の指定はありませんが、学校の敷地面積は約1万平米と通常の小学校の半分ぐらいです。深津地域の未利用地が住宅系への民間開発が多くなされる場合、狭小な深津小学校はあっという間に児童の受け入れができなくなる可能性があります。
 また、通学路に当たる通称ザビエル道路は、工場へ出入りする大型車両を優先したためか、車道幅員は1級国道並みの8メートルもありますが、児童が通う歩道の幅員は大変狭く、バリアフリー化の段差解消や点字ブロックもなく、歩道のない箇所まであります。加えて、道路には街路樹もありません。さらに、ガーデンズへ来退店する約1万台の車は、南北の今津西線や中津浜線、東西の山手幹線等の渋滞を避けるため、ザビエル道路や津門川左岸線を走る車が非常に多くなっています。

 そこで質問をします。
 一つ目、この地域には、古野電気などの市内でも有数の元気な企業が存在します。民間の住宅開発の計画などに対し、住工混在できる環境づくりのためにも、適切な用途地域の改定が必要と思いますが、当局のお考えをお聞きします。
 二つ目であります。ザビエル道路は、先ほども触れましたように、車道幅員は広過ぎ、一方で通学路の歩道幅員は狭く、また、歩道のない箇所もあり、街路樹は1本もありません。未利用地の民間開発が計画される中、また、ガーデンズからの迂回路化している状況を考えても、道路の安全対策の必要性は急務と考えますが、いかがでしょうか。
 三つ目、さらに、津門川左岸線も、大変狭いにもかかわらず通行量がふえており、歩行者が大変危険な状態にありますが、その安全対策についてどのようにお考えか、お聞きします。
 四つ目、町並みづくりについてですが、深津地域の山手幹線の北側に位置する芸術文化センターの周辺では、道路の修景化や建物の壁面の後退など、そして敷地内の公共空間づくりについても、地区計画が定められており、すぐれたまちの景観を醸し出しています。芸術文化センター地区の景観がこの地域にも連続されるように、民間の開発計画に対しては、コンクリートの塀の工場街としての町並みから転換するために、深津地区町並み形成ガイドラインというのを市が定め、一つのまちとして良好な景観を事業者に誘導していると聞いています。民間事業者に対し指導しているガイドラインの内容と市が道路等において計画している修景等の内容をお聞かせください。
 五つ目、同地区の未利用地のほとんどが民間によるマンション開発をされた場合、子供のいる世帯が一気に増加する可能性があります。そのような事態になったとき、現在の深津小学校・中学校はパンクしかねませんが、どのような対策を考えておられるのか、お聞きします。

【都市局長 答弁】
 1番目の西宮北口駅南西地域の今後の開発についての御質問のうち、1点目の深津地域の適正な用途地域の指定についてお答えいたします。
 現在、この深津地域の約24.5ヘクタールにおける用途地域の指定状況でございますが、第2種住居地域が約9.3ヘクタール、近隣商業地域が約2.0ヘクタール、準工業地域が約10.9ヘクタール、工業地域が約2.3ヘクタール、これを面積比でまとめますと、住居系が約38%、商業系が約8%、工業系が約54%となっております。現況の建築物等の立地の状況は、それぞれの用途地域に適合した用途の建築物等となってございます。
 西宮市都市計画区域における用途地域の指定は、本市が阪神間の連続した市街地に位置していることから、県が、阪神間都市計画区域として、市の意見を聞きながら、広域的かつ一体的に定めることとなっております。県は、平成22年に用途地域等見直し基本方針を定めており、個々の用途地域の見直しについては、この方針に基づいて定める必要がございます。本市の用途地域等見直しの基本的な考え方は、パブリックコメントを経て、現在策定しているところでございます。
 深津地域におきましては、新たな民間住宅開発も計画されていることから、既存の事業所との住工混在の状況がさらに顕著となることが予測されており、短期間での用途地域の変更は、多くの既存不適格建築物を発生させることにつながり、地権者等の権利にも影響するなど、現在の用途地域の継続的な指定も考慮しなければならないと考えております。したがいまして、用途地域の改定ではなく、都市計画法や条例、規則などの規制によらない深津地区町並み形成ガイドラインによる緩やかな町並みの形成への誘導や、よりきめ細やかなまちづくりの取り決めが可能となります地区計画制度の活用等を検討してまいりたいと考えております。

 次に、2点目のザビエル道路の安全対策に係る改築の必要性についてでございますが、市道瓦117号線──通称ザビエル道路でございますが──は、近年まで沿道の大規模な企業敷地に工場や事務所等が建ち並び、大型車両が走行するために車道の幅員が広く、歩道の幅員が狭いため、バリアフリー化もできてないことに加え、街路樹もない道路となっております。昨今の土地利用の変化により歩行者が多くなるなど、交通の質と量が変化することが予測されます。これらの状況から、ザビエル道路につきましては、沿道の土地利用や交通状況を見きわめつつ、改築を検討してまいりたいと考えております。

 次に、3点目の津門川左岸線の歩行者通行の安全対策についてでございますが、津門川左岸線の阪急神戸線から山手幹線までの間におきましては、西宮北口駅南土地区画整理事業で道路の幅員を15メートルで整備し、そのうち東側の歩道の幅員は2.5メートルとなっており、歩道の形態をした民有地2.0メートルを合わせまして、約4.5メートルの歩道の幅員となっております。また、山手幹線からザビエル道路までの間におきましては、西宮北口駅山手幹線南土地区画整理事業で道路の幅員を12メートルで整備し、そのうち東側の歩道の幅員は約2.9メートルとなっております。
 しかしながら、ザビエル道路から国道2号までの間におきましては、国道2号との取り合い部を除いて、道路の幅員が約3メートルから7メートルほどで、歩道も整備されておりません。特にJR神戸線と交差する部分は、道路の幅員が約5.8メートルで、見通しが悪く、車や歩行者の通行には注意を要する箇所となっております。さらに、阪急西宮ガーデンズの開業以来、南北の幹線道路である中津浜線と今津西線の渋滞時には、迂回路として津門川左岸線を通行する車両もふえており、歩道の未整備の区間などは、歩行者の通行にとって危険な状態でございます。
 このようなことから、市といたしましては、この津門川左岸線は、南北の幹線道路である中津浜線と今津西線の補助的な道路としての位置づけであると考えており、歩行者と車がともに安全に通行できる整備が必要であると考えております。今後、ザビエル道路から国道2号までの津門川左岸線につきまして、歩行者の安全に配慮した整備方法等を検討してまいりたいと考えております。

 最後に、4点目の深津地区町並み形成ガイドラインの指導内容についてでございますが、本市は、文教住宅都市として良好な住宅地と恵まれた文化・教育環境などを生かしたまちづくりを進めており、平成21年度以降、第4次西宮市総合計画を策定し、各種施策を推進しております。この総合計画では、阪急西宮北口駅周辺とJR西宮駅から阪神西宮駅一帯の二つの都市核間の回遊性を強化するため、両都市核を結ぶ主要な幹線道路の沿道において魅力的な町並みの形成を図るとしており、御指摘の深津地域は、まさしくこの線上に位置しております。また、当地域には大規模な遊休地が多く、今後新たな町並みの形成が予測されることから、市といたしましても、深津地区町並み形成ガイドラインを策定しまして、当地域の土地利用について、統一感のある町並みや良好な環境の形成を積極的に誘導しまして、地域の活性化につなげることとしております。
 現在、関係する開発事業者の皆様に当ガイドラインの趣旨を御理解いただき、目指すべき町並みの誘導と形成に御協力をお願いしているところでございます。また、当ガイドラインにおきましては、ザビエル道路や津門川左岸沿いの道路につきましても、建物の壁面位置の後退と、歩道の形態をしました民有地の整備や敷地側の修景について、各開発事業者に御協力をお願いしているところでございます。
 今後も、これら民間開発事業者の御協力も得ながら、御指摘のように、第4次総合計画が目指す都市核間の回遊性を強化した魅力的な町並みの形成に取り組んでまいります。

【教育次長 答弁】
 1番目の西宮北口駅南西地域の今後の開発についての御質問のうち、5点目の、同地域でマンション開発が進んだ場合、子供のいる世帯が一気に増加する可能性があるが、深津小学校及び中学校についてどのような対策を考えているかについてお答えいたします。
 深津小学校の校区内における今後のマンション開発につきましては、既に市への届け出が提出されているものだけでも、120戸を超えるマンションが二つ計画されており、二つ合わせて約250戸となります。また、深津中学校の校区内においては、これらのほかに、完成間近のものも含めて二つのマンションが建設中であり、四つ合わせて約400戸となります。これらのマンションがすべて完成すれば、児童生徒数の増加が予測されますが、教育委員会では、将来の教室不足への対応を検討するための資料として学級数の推計を作成しており、深津小学校・中学校ともに普通教室として使用できる教室数に余裕があることから、学級数が増加しても十分に対応が可能と考えております。
 なお、校区内において今後さらに大規模なマンション開発が一気に進んだ場合は、御指摘のように、教室数が不足する可能性もありますが、今後の開発の状況や児童生徒の推移を見きわめながら、必要に応じて教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱における地区の指定による住宅開発の抑制や仮設教室の設置等について検討してまいります。

【意見・要望】
 用途地域の見直しの件ですけれども、用途地域の見直しよりも、町並み形成ガイドラインという緩やかな町並み形成や、あるいは地区計画の設定ということで対応したいということでございました。既存不適格建築物を発生させないようにということで、現状の用途地域の継続的な指定、これも考慮しなければならないとも、私も思います。今後は、深津地区町並み形成ガイドラインを公開していただくとともに、また、開発事業者へ理解と協力を求めて、芸術文化センターから続く景観が確保できるように取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、ザビエル道路でございますが、まさにそういった御回答、御答弁をいただきましたので、車道、そして歩道の幅員を整備していただいて、街路樹も植えていただくということでございますので、ぜひともその取り組みをマンション開発とともに進めていただきたいと思います。
 続いて、津門川左岸線ですけども、この道路は、私、学生時分から西宮を知ってますけれども、ずっと変わらない道だなと思って見ていました。答弁にもありましたように、国道2号線、ちょうど今、日本年金機構の西宮事務所になっておりますけども、そこから北、そしてザビエル道路までというところが全然変わってないなというふうに思っていまして、問題となっていると思います。歩道、幅員も狭い道路、これは早期に整備をしていただきたいなというふうに思っておりますので、ぜひとも御検討いただきますようによろしくお願いいたします。

 最後に、深津小学校・中学校の受け入れキャパシティーについてですけれども、現在開発されているマンションが完成しまして、中学校区で言うともう既に400戸ふえるということで、それを承知されているわけでございますけれども、それでも、児童生徒が増加しても教室に余裕があるということでありますけれども、それは安心したんですが、ただ、まだ未利用地となっております空白地があります。例えば古野電気さんの南側の土地なんていうのは、まだ決まっておりませんし、大きなマンションができる可能性もあります。そんな場合、先ほど御答弁にございましたような、住宅開発抑制に関する指導要綱に基づいて開発を抑制されるということでありますけれども、ぜひとも注視していただかなくては、まだまだ大きい土地が残っておりますから、気をつけなければいけないと思っておりますので、その点、よろしくお願いいたします。

(2)西宮市都市型観光推進計画について

 二つ目の西宮市都市型観光推進計画について次に質問します。
 同推進計画は、第4次総合計画に基づき、西宮市の持つ地域資源や集客施設などを活用しながら、都市型観光を推進していく基本的な方向性と具体的な戦略の立案が必要ということで立てられた計画であります。計画期間は、平成23年から27年の5カ年となっています。
 観光振興については、現在、国も地方も特に力を入れ始めています。国では、観光立国・地域活性化戦略として、訪日外国人旅行者2,500万人から3,000万人、経済波及効果約10兆円、新規雇用56万人という目標を掲げています。地方においては、各地域との差異化を図るため、地域資源の活用や独自のテーマの設定により、観光客の獲得に向け工夫を凝らしています。観光は、交通、宿泊、飲食、物販等、多様な産業と関連し、地域の経済や雇用への波及効果が大きいことから、多くの地域が観光振興に力を入れており、地域間の競争は活発化しています。
 一方、西宮市の現状は、計画にありますように、兵庫県下への観光地への総入れ込み数は1億3,608万人で、市町村別では、神戸市が3,193万人で最も多く、次いで西宮市が1,244万人と第2位になっています。その1,244万人の内訳を見ますと、阪神甲子園球場への野球観戦などで393万人、西宮神社が182万人で、全体の約半分を占めています。10年間の推移を見ますと、平成12年度の1,078万人から165万人ふえております。大変うれしいことであります。
 しかしながら、この計画について少し疑問に思うところについて、そして、もっと力を入れたらいいのではないかと思うところについて、質問をしたいと思います。

 一つ目ですが、計画にある観光拠点、つまり地場産品の販売拠点ですが、平成27年度までに1拠点だけの整備となっています。西宮市の名産品といえば、日本酒、そして、最近ではスイーツなどでありますが、これらを観光の帰りなどに買って帰りたくても、そんなお店が駅などに存在しないために、拠点を整備するということでございますが、現在、市当局から聞く話では、その1拠点は、ガーデンズを含めた西宮北口駅周辺とのことです。西宮北口駅は、確かに市内で一番の乗降客数ですが、西宮市に来訪される観光地で一番来場者が多いのは、先ほども申し上げましたように、阪神甲子園球場であり、そして、次いで西宮神社であります。このことを考えますと、阪神甲子園駅や阪神西宮駅周辺にも設置すべきであると思います。計画の5年間で1拠点というのは余りにも少ないと思います。1年に一つずつでも拠点を構えていくというようなことはできないでしょうか。毎年多くの方が来訪しているというのに、私はもったいない気がいたしております。私は、この阪神甲子園駅、そして阪神西宮駅に加えて、阪急西宮北口駅、そして、厄神さんでも人が多い門戸厄神駅、そして、JRの玄関口ともおっしゃっておられますJR西宮駅、合計5カ所は必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 二つ目の質問です。西宮市は、大変転勤族の多いまちであります。短い期間だったけれども、西宮市に住んだことがあるという方は結構いらっしゃるかと思います。縁あって西宮市に住んでいただいたのですから、そんな人にも少しでも西宮のいいところを知ってもらいたいものであります。現在、小学校3年生に対して、副読本「わたしたちの西宮」というものを使って、西宮市について学習する取り組みをされているそうですが、私は、西宮市に住んでいる大人の方はもちろん、子供たちには、ぜひとも少しでも住んだこのふるさと西宮のことを胸に刻んでほしいと思っておりまして、小学校、中学校の間に、ぜひとも西宮のことを知る機会をもっとふやしてほしいと思っています。その点についていかがお考えでしょうか。

 三つ目ですが、この計画が成功するかどうかであります。
 私がこの計画の中で特に注目しているのは、経済波及効果です。市民の方に西宮を知っていただく、そして、市外の方々に来訪してもらう、そのことに加えて、やはり観光を産業化していけば、経済・雇用環境の改善につながると私は思っております。経済波及効果は、現在で1,034億円、目標を1,122億円とされていますが、私は、やり方によってはもっと効果を上げられるのではないかと思っています。その効果を上げるための事業として、同推進計画では、まち歩き観光ルートを35ルートつくる、45の体験交流型プログラムを提供する、観光ボランティアガイドを70人に増員する、そして、町なか観光案内所を20拠点整備するなどありますが、それぞれを利用してもらうためには、効果的な広報が必要となっています。どんな広報を考えておられるのか、その点、お聞きしたいと思います。

 四つ目であります。四つ目は、外国人観光客の取り込みについてであります。
 既に日本には、アジア、特に中国、韓国、台湾などから多くの観光客が来ています。その外国人観光客を西宮にも呼び込むために、まず、外国人が自国で購入するであろう日本ガイドに西宮の誇るべき観光地を掲載できるよう努力すべきであると思いますし、また、来ていただいた外国人が安心して観光できるように、町なかの観光サインの外国語表記を整備しなければなりません。これは平成27年度の実施となっていますが、外貨獲得による経済波及効果を考えると、また、日本の不景気を考えると、早期に取り組んでもよいのではないかと思っています。
 質問します。外国人観光客に西宮に来てもらって消費を促す取り組みについてどう考えるのか、お聞かせください。

 最後に、産業観光について質問します。
 昨年、市民文教常任委員会の視察で川崎市を訪問しました。川崎市では、夜景の第一人者の監修による工場群の夜景ツアーというものが商品化されていました。これは大変おもしろいと思いました。西宮市も、酒蔵地帯がありますし、また、食産業の工場なども数多くあります。これらを生かした産業観光ができないものかと考えますが、いかがでしょうか。

【市長答弁】
 2番目の西宮市都市型観光推進計画についての御質問のうち、1点目の地場産品等の販売や観光情報の発信拠点の整備について私からお答えいたします。
 新年度におきまして、本市の恵まれた自然や風土、歴史、文化、産業など、文教住宅都市としての多彩な魅力に磨きをかけ、多くの人々との交流とにぎわいを創出していくことで交流人口の拡大を図り、産業の振興につなげていく都市型観光を推進してまいります。このような中、本市の産業の特徴であります日本酒や和菓子を初め、古くから営まれておりますさまざまな食関連産業があり、近年では多くの工房型の洋菓子店が全国から注目を集めております。今後、これらの地場産品などの販売拠点を整備し、内外への情報発信を強化することが重要であると考えております。しかしながら、1カ所でこれらの西宮の地場産品等を購入し、また、日本酒やスイーツを味わい、買える拠点がないなどの課題がございます。
 こうした課題を解決するために、現在策定いたしております西宮市都市型観光推進計画の中で、観光関連情報を提供し、西宮ブランド品を販売する観光拠点施設を鉄道主要駅等において1カ所整備するとの目標を掲げております。観光拠点施設の整備につきましては、現在、観光拠点施設がない現状を考えますと、まずは鉄道主要駅等で1カ所を整備しまして、これを評価したいと考えております。御指摘の複数箇所での整備につきましては、今後の整備計画の中で検討してまいりたいと考えております。

【市民局担当理事 答弁】
 2番目の西宮市都市型観光推進計画についての御質問のうち、ただいま市長がお答えいたしました以外の御質問についてお答えいたします。
 2点目の、市外から転入してきた子供たちに西宮のよいところを知ってもらう機会が必要ではないかについてでございますが、本市では、小学校3年生が副読本「わたしたちの西宮」を活用して、西宮の自然や阪神甲子園球場、西宮神社、西宮砲台、新西宮ヨットハーバー、名塩和紙学習館などを初め、ふるさと西宮について学習する取り組みをしております。また、このカリキュラムの一環において、各学校で訪問場所を選定し、社会科の授業として西宮めぐりを行っております。市内には、親子で体験や見学できる工場や物づくり体験プログラムなどを行う施設などがあります。特に子供たちが参加しやすい学校の夏休み期間中に限定し、特別企画を行っている企業や団体などもあります。今後、親子で楽しむ観光施設につきまして、関係機関と協議し、検討を行い、子供たちが西宮を再発見するプログラムについても取り組みを進めてまいります。

 3点目の、西宮市都市型観光推進計画が成功するかどうかは、市民に本当に楽しんでもらえるか、また、どう知ってもらえるかにかかっているについてでございますが、御指摘のとおり、市民が楽しむ、また、市民が知ることが重要なことであると認識いたしております。市民に本当に楽しんでいただくためには、市民のニーズにかなっている観光商品であるかどうかが重要であります。このような観光プログラムを企画していくには、企業、市民の積極的な参画が必要不可欠であり、観光関連事業者や市民などから成る西宮賑わい創造隊を組織し、ともに西宮らしい都市の魅力や奥深さを持った観光プログラムを企画してまいります。また、市民に広く本市の魅力を知っていただくためには、集中化ということも大切でありますので、観光プログラムを一定期間内に集中して行う仮称まち旅博覧会を市内全域で開催いたします。こうした取り組みを通して、市民や地元企業が地域の魅力を再発見し、住みよさを我がまち自慢に変え、本市の多彩な魅力を実感し、もてなしの心を醸成し、都市型観光の原動力となれる観光振興を図ってまいります。

 4点目の、外国人観光客に西宮に来てもらって消費を促す取り組みについてでございますが、経済のグローバル化の進展により、アジアを中心とした大交流の時代に入り、我が国においても訪日外国人旅行客数が増加傾向にあります。外国人旅行客の訪日の動機や目的の上位に、食や日本製品の購入、歴史的建造物、自然景観が入っており、本市においては、外国人旅行客にアピールできる日本酒や、近年、香港、台湾からの旅行客に人気のスイーツ、さらには船坂の里山など、観光資源として活用できる可能性がある資源が存在いたします。その一方で、市民が西宮のよさを十分に知らない、また、単一の観光施設への来訪にとどまっており、面的な回遊行動につながっていないため、産業に対する貢献が弱く、経済効果が乏しいといった課題もございます。このようなことから、当初は、市民の方に本市の魅力を知っていただき、また、近隣からの訪問者の回遊性を向上させる取り組みを強化し、次の段階で外国人旅行客の誘致につきまして取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、5点目の、産業観光に力を入れている自治体もあるが、本市でも産業観光を推進できないのかについてでございますが、近年、産業博物館や資料館などの歴史的・文化的価値の高い産業遺跡や工場などの物づくり生産現場などを産業資源として位置づけ、産業関連施設の見学のみならず、観光施設を加えた産業ツーリズムが注目されております。
 本市におきましても、酒造メーカーを中心に食関連産業が多く、臨海部から内陸部にかけて知名度の高い企業が集積しております。また、歴史的・文化的価値のある文化財を収蔵した企業の博物館や資料館などの産業関連施設があり、特色ある産業集積を生かした産業観光を展開できる可能性がございます。
 今後は、兵庫県が推進しております阪神南地域の特性である産業観光資源を活用したツーリズム事業と連携し、工場見学や製造体験の受け入れ企業をふやしていく取り組みの強化や、市内にあります職業体験施設「キッザニア甲子園」と連携した職業体験プログラムの企画を支援するなど、産業観光を通して本市の企業の魅力の向上を図り、地域経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。

【意見・要望】
 市長から御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 しかし、地場産品等の販売拠点1カ所というのは、やっぱり私は物足りないと思っています。計画の中にも、観光先が単発で終わってしまって回遊性がないということが西宮市の弱点だと言っていますけれども、実際に弱点はやっぱり弱点で、回遊性を高めようと思ってもなかなか高まらない現状があると思うんですね。単発で、例えば阪神甲子園に来られた方、西宮神社に来られた方に対して、帰りに何か買って帰ってもらうということが、僕はできると思うんですね。そういう意味で言うと、西宮北口につくるのは何のためなのかというたら、ガーデンズのお客さんのためだけかいなということになるので、それだったら、西宮の名産品を西宮にわざわざ来たという人たちに買ってもらうというのは、やっぱり甲子園とか西宮神社じゃないかなと思うので、そういったところに私はつくっていただきたいなと思っています。みすみすビジネスチャンスがそこにあるのに5年間ほうっておいて、最終年度にやっと1個つくるというのでは、ちょっと何か遅いなという気がします。こんな計画をつくられたんですから、ぜひともそういう思いを持って、もっと積極的に観光による経済波及効果をねらっていっても私はいいと思っています。

 また、外国人観光客の取り込みですけども、これも、今実際、日本人の財布のひもはかたいかもしれません、不況ですし。そんなことの一方で、中国人などは、本当に裕福なお客さんが来られている現状がありますね。韓国人もそうなのかもしれませんが、そういった方々が関西に来て、もちろん京都なんかはよく行かれるんでしょうけど、京都や大阪や、あるいは神戸や奈良とかいったところプラス西宮にも来ていただけるような取り組みをしないと……。だから、日本人よりも外国人のほうがもっと派手にお金を使う可能性もありますので、そういった時代──昔だったら日本が海外旅行にどんどん行くような時代でしたけども、逆に今度、時代も変わってきましたから、外国人を日本が受け入れて、そして外貨を稼いでいく、そういう時代になってくるんではないかとも思いますので、西宮市は中間にあって便利なところですけども、通過される可能性がありますので、そこのところを、引きとめられるような観光資源もあると思いますから、それをどしどし日本ガイドに入れてもらえるように努力して、そして、だれが来ていただいても困らないような観光サインをぜひとも進めていただきたいと思います。

 推進計画を読ませていただいて少し気になったことは、宿泊客がこの10年でものすごい激減しているんですね。平成12年で言えば23万6,000人お泊まりになっていたのが、10年間で、12万7,000人ということで、半分近くに減っています。これは、大阪や神戸とかにもどんどん新しいホテルができて、西宮ってもともと宿泊ニーズが余りないと言われている地域なんですけど、本当に半分まで減ってしまった。ホテルや旅館なんかも減ってきているんじゃないかなとも思いますし、甲子園球児たちも、西宮に泊まらなくて、周辺に泊まるというような現状がふえてきているような感じが私はしています。やっぱり西宮市というのは、48万人いますから、48万人にふさわしいホテルは、今シティーホテルで言うとノボテル甲子園しかありません。宝塚なんかは、やっぱり温泉地でもありますし、ホテルも結構ありますし、また、伊丹なんかやったら、第3セクターで伊丹第一ホテルがあります。そんなことも考えますと、ちょっと西宮市は物足りないなというのを常に思っていますが、そういうホテルが本当にあったら、また宿泊ニーズもあって、観光客もふえるんではないかなとも思ったりするんですけど、そんなところについても、ぜひ御検討いただけたらなというふうに思っております。

 この都市型観光推進計画、私は、個人的には本当に楽しい計画だなというか、前向きに私自身もいろいろ協力をしていきたいなというふうに思うような計画でした。ですから、西宮市の観光資源をもっと使っていただいて、この計画どおりに進むことを私は願っておりますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

前兵庫県議会議員 くりやま雅史 - 議会活動/一般質問(西宮市議会)/2011年2月25日 一般質問内容

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