兵庫県議会議員 くりやま雅史
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議会活動一般質問(兵庫県議会)2014年6月6日 代表質問内容

2014年6月6日 代表質問内容

1 国家戦略特区の推進を活用した兵庫の未来像について

【口述内容】
 日本の国際競争力の向上や、新しい産業の創出を目指す成長戦略政策として、国家戦略特区が動き始めました。本年5月1日に国家戦略特別区域を定める政令が公布、施行され、東京圏や関西圏など6地域が指定されました。兵庫県を含む関西圏には医療イノベーションの分野で「岩盤規制」を切り崩す役目が期待されています。

 現在、特区ごとに「国家戦略特別区域会議」の設置準備が進められ、今後「国家戦略特別区域計画」の作成も進められていきます。関西圏は、「健康・医療分野における国際的イノベーション拠点の形成」を通じ、「再生医療を始めとする先端的な医薬品・医療機器等の研究開発・事業化を推進する」とともに、「チャレンジングな人材の集まるビジネス環境を整えた国際都市の形成」を目標にするとされています。目標に対する中心的な政策課題・事業として「外国人医師の診察、外国人看護師の業務解禁」、「病床の新設・増床の容認」、「保険外併用療養の拡充」も挙げられています。医療や健康を中心とするこの目標を達成するためには、医療産業都市を標榜している神戸市との協議、連携がまず必要だと考えられます。
 その他、これに付随する規制緩和として、「雇用条件の整備」、「建築物の容積率」、「外国人の滞在に対応した宿泊施設の提供」、都市の魅力向上・観光振興を目的とした「歴史的建築物の活用」なども事業として掲げられています。

 そんな中、大阪府では府外から進出した企業に、法人住民税や法人事業税、固定資産税などの地方税を5年間ゼロにする特例措置を適用する方針を固めたとの報道がありました。また、沖縄県では規制緩和のメニューを活用した事業や新たな規制緩和のアイデアを県内外の民間企業や地方公共団体から募集、さらに福岡市では法人税の実効税率を15%程度に引き下げる規制緩和策を国に追加で求めたようでありまして、各地で動きが顕在化してきました。

 そこで質問します。事業の展開にあたって、関西圏の中でも兵庫県として独自性のある取組みができるかどうか。また、神戸市との協議、連携についてどのように進めていかれるのか。さらには、県内各市町や、大阪府、京都府との協議、連携についてもどのように考えておられるのかお答えください。そして、この国家戦略特区における規制緩和を通じて、井戸知事が兵庫県の未来像をどのように描いておられるのか、その風景が目に浮かぶようなご答弁をお願いします。

【井戸知事答弁】
 今回指定を受けました関西圏国家戦略特区は、国主導の規制改革等により、国際的な経済活動拠点の形成を促進して、これを成長戦略として実現しようとするもので、本県が京都、大阪とともに医療とまちづくりを中心とする集積で日本の産業をリードすることを期待されています。

 これまで本県は、神戸市と連携し、震災復興の突破口として、エンタープライズゾーン構想を提案したり、あるいは先行して産業集積条例を制定するなど独自のゾーン政策を展開してきました。震災20年を迎えようとする今、県下全域が国家戦略特区に指定されたことは、産業振興はもとより地域活性化に弾みがつくと期待しています。
 まず、具体的な規制改革の活用項目ですが、スパコン「京」、SPring-8、SACLA、発生・再生研究所等の集積など、本県の特色を生かしまして、まず、病床規制の特例による神戸アイセンター整備などiPS細胞等を活用した再生医療の実現、第2に先進医療の拡充によるこども病院における小児がん等への高度医療の提供など、第3に外国医師の診察の業務解禁による粒子線治療の充実、第4に開発許可の特例による医療機器の開発拠点整備、第5に旅館業法の特例による古民家を活用した宿泊施設整備など、これらをまず進めていくことにしたいと考えています。これらの事業化と併せて、産業集積条例など県施策も総動員して、効果的に民間活力を引き出していきます。

 これらの事業を推進するため、神戸市と共に、市町や関係事業者からなる兵庫地区協議会を近く立ち上げます。市町には、既に県・市町懇話会等において周知を図り、連携して全県的な取組を進めてまいります。また、関西圏区域会議で、iPS細胞の再生医療を中心に特区事業を展開する京都との連携や、製薬・医療機器を中心とする大阪との連携等を進めて、関西圏ならではの特区となるように協調して取り組みます。
 併せて、現状の限定的で不十分な規制改革メニューにつきましても、特区の効果をさらに高めるため、市町や企業等から追加すべきニーズを広く集めて、京都大阪をはじめ関西をあげてスクランブルを組み、国に提言していきたいと考えています。

 将来像を描くのはなかなか難しいのでありますが、この特区を契機に、まず、世界をリードする最先端産業や研究機能等のクラスターが形成されている、第2に独自技術を生かしたオンリーワン企業が活躍をしている、第3に国内外の人々が集まる世界的な健康拠点となっている、第4に世界に躍進する技術革新の集積地域になっている、第5に神戸を中心にまちが再整備され創造的人材や観光の拠点となっている、など活力にあふれている兵庫、創造と共生の舞台・兵庫の形成をめざしたいと考えています。

(再質問)
【口述内容】
 現状の限定的で不十分な規制改革メニュー、という答弁がありましたが、どのようなことが不十分と考えておられているのか。

【井戸知事答弁】
 現在の規制緩和項目になっておりますのは、国の方で当面指定をされております。例えば、都市計画でいいますと、中心のまちづくりに関連した容積率や開発許可等の特例、それから医療では病床と先端医療の特例というようなところが規制緩和項目として指定されておりまして、それ以外の規制緩和項目は今回対象になっていないということになっておりますので、これらを更に一覧にリストアップしまして、そして国に提案していきたい、このように考えております。
 また、エリアとしましても、とりあえずは3府県エリアでありますが、実を言いますと、滋賀とか和歌山とか奈良とか、関西だけを見ましても関連している産業があるわけでありますので、それらをどのように、次の段階になると思いますが取り組んでいくか、これらも一つの大きな関西としての取り組みの課題になるのではないか、このように考えて、次なる展開を図る必要があるということで検討していきたいと考えています。


2 阪神・淡路大震災20年を契機としたさらなる防災・減災の取り組みについて

【口述内容】
 来年1月17日に阪神・淡路大震災から20年を迎えるにあたり、これを機会に改めて県民一人一人が防災・減災に対する取り組みを見直し、強化する必要があると感じております。知事も6月3日県議会開会日の提案説明の際に、このことについて触れられました。また同日、兵庫県から南海トラフ巨大地震の被害想定が発表され、大きな衝撃として県民に報道されたところです。
 そんな中、本年1月に兵庫県はインターネットで募った県民モニターを対象に、県民の防災意識や取組み状況を調べるアンケートを実施されました。1,338人から回答を得たその結果は、「避難場所について知っている」が81.5%、「飲料水・食料品を備蓄している」が60.5%など年々防災意識は高まっている一方で、「地域の防災訓練に参加したことがある」のは35.1%にとどまり、「家具を固定している」も37.2%と低調で、また「垂直避難」という言葉・内容を知らないと答えた人も65%に上っているなど、取組み内容によって意識にムラがあるとも言える結果となりました。
 話は変わりますが、被災地の神戸市や西宮市の自治体では、阪神・淡路大震災での体験や教訓を改めて共有しようと職員研修を拡充しているとのことです。震災から19年が経ち、若い世代の職員が増加する中、震災の経験や教訓を引き継ごうとされていることは大変有用であると感じています。

 震災から20年の節目を迎える今年度、県では数多くのイベントや事業を予定されています。最後に述べた震災の教訓を引き継ぐ研修による県職員への啓発も含めて、県民の防災・減災に対する意識を効果的に高めていくことについて、知事のご所見をお聞きします。

【井戸知事答弁】
 いま、阪神・淡路の被災地では、震災経験のない県民が4割を超え、県職員も約3分の1が震災後に採用された職員となっています。一方、震災の教訓を生かそうと、NPOや防災減災の専門家が数多く生まれています。東日本大震災の被災地を始め、各地で活動を展開されています。県職員も、震災後5年・10年の復興検証作業や、15年の「伝える」などの記録誌の作成を通じて、経験と教訓の継承が図られてきたと考えています。震災20年の節目にあたり、こうした取り組みのさらなる展開が求められます。
 このため、県民グループやNPO、地域団体等が実施する訓練、フォーラム、ワークショップなどの事業を支援してまいります。また、県民総参加の「減災」キャンペーンとして、毎月17日を「減災活動の日」と定め、地域や職場で避難や備蓄などの取り組みを促すこととしました。第二に、防災士や防災リーダーと地域が連携する必要があります。このためのワークショップや訓練を全県下小学校区レベルで展開してまいります。さらに、地域防災力の要となる消防団と自主防災組織の連携訓練を支援してまいります。

 先日発表いたしました南海トラフ巨大地震の被害想定では、住宅の耐震化や避難行動、あるいは防潮堤などのハードの整備を組み合わせた取り組みをすることによって、大きな減災効果をもたらすことが明らかになりました。このためにも、市町が行うハザードマップの作成や啓発を通じ、県民が自助の立場から実践的な活動に取り組んでいただくことも促してまいりたいと考えています。

 県職員に関しましては、本年度実施いたします、東日本大震災と阪神・淡路大震災の復興制度等の比較検証のなかで改めて経験や教訓の伝承を図ります。それと、震災を経験した職員や元幹部職員から直接、震災の教訓を学ぶ研修や新任職員の東日本大震災被災地でのボランティア研修、中長期派遣職員の報告会の開催などによりまして復興業務経験の蓄積などを重ね、現場感覚と災害対応力を磨いて参ります。

 阪神・淡路大震災の教訓は、新たな知見を加えつつ次世代に伝え、これを活かしていくことこそ、私たちの役割だと考えます。20年の節目に当たり、真に県民総参加といえる取り組みを展開してまいりますので、よろしくご指導ください。


3 総合治水の推進について

【口述内容】
 「今年の集中豪雨には耐えられるだろうか」。
 近年、毎年のように各地で集中豪雨が多発し、大規模な被害が発生してきました。そんな中、兵庫県は全国に先駆けて「総合治水条例」を制定し、平成24年度から施行しています。今回はこの総合治水条例を推進力としていかに総合治水を進めていくかについて質問します。
 総合治水条例の第2条 基本理念において、「総合治水は、河川下水道対策、流域対策及び減災対策を組み合わせることにより、降雨による浸水の発生を抑制し、浸水による被害を軽減することを旨として、県、市町及び県民が相互に連携を取りながら協働して推進されなければならない」とあります。「県、市町及び県民が協働する」という点が大事だと思いますが、残念ながら先ほどにも引用しました県のアンケートによりますと「総合治水について内容を含め知っている」と答えた人はたったの6.7%で、内容を「知らない」人は93.2%にのぼっています。  
 総合治水の基本的な取り組みである「ながす」、「ためる」、「そなえる」の対策について、まずは県が率先して取組み、また市町による取組みも様々に進めてもらっていますが、県民一人一人がこの条例を理解し、それぞれに取組みをしてもらう必要があるのではないでしょうか。アンケートによりますと、何らかの支援があれば雨水の各戸貯留などのハード対策にも取組む意向があるという結果も出ています。

 近畿地方も梅雨入りしました。今年は長い梅雨になり、大雨や集中豪雨が起こりやすいと予想されています。制定から2年が経過しましたが、その間の県の取組みを伺うとともに、同条例を推進力としてさらに率先的な取組みと普及啓発を進めていく必要があると思いますが、知事のご所見をお聞きします。

【吉本副知事答弁】
 記録的な豪雨や局地的な大雨が頻発する中、県では浸水被害を軽減するために、総合治水条例に基づき、市町・県民の参画のもと地域毎の推進計画を策定し、「ながす」「ためる」「そなえる」対策を総合的に進めているところです。
 これまでの取組としては、「ながす」対策では、千種川や加古川等で整備の必要性や効果のわかりやすい説明に努め、地域の協力を得ながら整備を進めているところです。「ためる」対策では、武庫川流域の県立高校等4校での校庭貯留、加古川市の蓮池などため池23箇所での事前水位下げ、赤穂市周世地区等13haでの「田んぼダム」貯留、「そなえる」対策では、佐用町真盛地区での輪中堤のゲート閉鎖訓練など、地域と協働した取組を先導的に進めてきたところです。
 今後は、これらの先進地域での取組をさらに加速させるとともに、法華山谷川流域や相生市千尋地区など近年浸水のございました地域を優先しながら、効果的な対策の全県展開を図ってまいります。
 また、効果が大きい利水ダムの治水活用について、水の管理者とともに実施に向けた検討を進めてまいります。さらには、県民自らが災害に備え、的確に行動できるよう、CGハザードマップをはじめ、地域の防災情報をよりわかりやすい形で提供してまいります。県民に身近な各戸貯留の助成についても、実施中の14市町から更に拡大するよう市町に対し強く働きかけてまいります。

 普及啓発については、校庭貯留状況の動画配信など「効果の見える化」、現地でのPR看板やのぼり旗の設置、新聞・テレビを通じた広報など「取組の見える化」を進めてまいります。さらに、住宅や川があるまちの模型を工業高校等9校と共同で製作し、貯留効果を理解してもらう出前講座を各地で実施しております。これまで以上に県民の認知度向上に繋がる多様なPR活動に努めてまいりたいと考えております。

 今後とも、条例を推進力として県が率先的に各種対策に取り組むとともに、県民の皆様方の行動意欲を高めるための気運醸成を図りながら、県民総意の総合治水を推進してまいりたいと思います。


4 商店街活性化施策について

【口述内容】
 私は、市議会議員時代からこれまでの約10年、商店街組合の顧問や相談役など様々な立場で商店街の振興に関わってまいりました。商店街の活性化を目指して、市や県に対して各種の支援や補助金のお願いをしてきた経緯もございます。そして、その支援や補助金を用いて、商店街の皆さんとともに活性化のためのイベントや様々な取組みを実施してきましたが、結果的に商店街が本当の意味で活性化したのかどうか、つまり、「各店舗の売上向上に繋がったのか」、「商店街に多くの出店があったのか」、「顧客の満足度が上がり、客数は増えたのか」などの本来の目的について、実は得心を得られずにいました。
 ご承知のように、兵庫県内、あるいは全国的にも、旧来の商店街の状況は大変厳しく、シャッター通りとなっているところが数多くあります。大型商業施設の進出やコンビニ、インターネット販売などとの競争に敗れ、存在意義を低下させています。それを変えるために、国や自治体は、これまでに商店街に多額の予算を投入してきました。にも関わらず、商店街の多くは相変わらずというところも多く、好転していないと感じております。多額の予算が投入されてきた商店街施策に問題はないのでしょうか。
 県議会の産業労働常任委員会では、この状況を重く受け止めて、平成24年度の特定テーマ調査の対象に、商店街の活性化を選ばれています。今こそ、商店街活性化施策について改めて考えなければならないと思い、今回質問をすることにしました。

(1)商店街活性化に対する考え方

 そもそも、商店街を活性化するとはどういう状態をいうのでしょうか。それは消費者の立場からハッキリ申し上げますと、購買意欲を刺激する魅力的な個店が数多く存在し、街が賑わっている状態ではないかと思います。消費者は商店街という場所や組合などの組織ではなく、個店を見ています。どの店が安くて、どの店の品が良いのかを見ています。
 これを前提に考えるならば、商店街の活性化とは、イベント等による一時の集客ではなく、魅力ある個店が数多く出店し、競争し、小さくても集客力のある強い店が生まれ、その店が店を呼ぶような「スパイラル」を形成することではないか、その環境を整えていくことが重要なのではないかと思っています。
 「店が店を呼ぶスパイラル」の実例として、先日たまたま新聞報道で知りました赤穂御崎をご紹介したいと思うのですが、私も以前常任委員会の皆さんとお伺いしたことがあります「さくらぐみ」というイタリア料理店の周囲に、アートの店やカフェが相次いで誕生したということです。ロケーションが良いことに目を付け、ここで美味しい料理を提供してきた同店舗に続けと、まさに「店が店を呼び、お客を呼び寄せた」実例ではないかと感じました。また、我が会派の上野議員からのお話によりますと、神河町では古民家の活用による新規出店が相次いでいるようで、アイデアや仕掛け次第で地域や商店街は再生することを実証しています。

 そこで質問します。まずは、起業意欲を持つ人が多く現れること、そしてチャレンジしやすい環境を整えることが重要です。そしてその前に、起業したいと思う人が多く輩出されるよう、教育段階からの起業意識の醸成も含めた経済教育や育成が重要だと思います。そういった起業意欲のある人たちに商店街に一つでも多く、魅力ある個店を開いてもらうことによって、商店街は活性化すると思うのですが、商店街の活性化、振興施策について総合的にどのようにお考えでしょうか。知事のご所見をお伺いします。

【井戸知事答弁】
 商店街の活性化は大変難しい課題です。商店街活性化に対する基本的な考えについて問われました。
 商店街は、物を販売する場所だけではなく、地域のコミュニティ、防犯、まちの賑わいづくりなど、多様な機能を持っています。私は、何よりも商店街は楽しくなくてはならないと考えます。それを阻害しているのがあのシャッターです。しかし、大規模店との競合激化や店主の高齢化・後継者不足、個店の魅力低下などにより空き店舗等が増加するなど、かつての活気を失っている商店街も見受けられています。こうした商店街を活性化するには、商店街を牽引するリーダーに加えて、魅力ある個店づくりに取り組む人材の育成と、そして、真に魅力ある個店づくりを進めてもらわねばなりません。
 このためには、まずは起業を志す人の育成が必要です。県内各地で商工会議所等が開催する創業塾へ支援をしております。また、ひょうご産業活性化センターにおいては、マンツーマン創業塾を開催しております。空き店舗情報の提供や専門家による指導・助言等の起業家育成や新規出店についても支援を行っています。
 ただ、なかなか塾を卒業したからといって、簡単に開業できるものでもありませんが、起業しやすい条件整備をしていくことが重要です。開業資金の用意など初期コストの確保を支援しています。ただ、なかなか活用されていません。やはりノウハウをきちんと身につけることと、そして後継者不足の個店との結びつき・マッチングを強化する必要があると考えています。ただ、商店街を魅力的なものにするという試みとしては、例えば、板宿商店街のように家賃を低減して若者の開店を促す、あるいは垂水商店街のような空き店舗をコミュニティ施設化して、ミニ図書館や喫茶や遊び場など作って雰囲気を高めていく、このような工夫がされていますが、このような工夫は不可欠だと考えています。そのための支援策も用意してきました。

 また、教育段階から起業意識の醸成を含めた教育・育成を図る必要があります。ご指摘のとおりです。中学校における「トライやる・ウィーク」は、社会との関わりの中で働くことの大切さを学びます。ものづくり大学校におけるものづくり体験は、職業意識の醸成を図ることにつながります。高校では専門学科で高校生の斬新なアイデアを活かしたクッキーや播州織などの商品開発や生産・販売が試みられています。また、地域と連携した空き店舗等の活用による販売実習などにも取り組んでいる例があります。

 私は、高齢社会こそ商店街が再評価されると考えています。つまり、車社会を前提とした大規模店に出かけられない高齢者にとっては、身近な商店街こそがオアシスになるはずです。商店街の活性化を図るために、人材育成に併せて、大規模店にはない特色のある品揃えやサービスを提供する個店の創出、まちづくりとの連携を視野に入れた環境整備、地域の人々が商店街を利用し支える機運の醸成など、地域の特性に応じた振興策を総合的に推進してまいります。

(2)商店街を活性化すべき主体は誰であるべきか

【口述内容】
 商店街活性化の各種事業は、これまで商店街と言われる場所・地域に組成された組合などの組織に任されてきたことが多かったように思います。しかし、残念ながらうまく個店の売上向上に繋がらず、商店街組織は疲弊してしまっているとも感じています。私が聞くところによると、本音では「売上に繋がらないイベントなどは行いたくない」と思っておられる方も多くおられるようです。その結果、組織から脱退する、新規で加入しないなどの結果を招いています。イベントなどに注力する前に、まずはそれぞれの商売に向き合っていただくためにも、個店や組織の負担を軽減することも考える必要があるのではないでしょうか。

 さて、商店街が活性化したとき、誰が儲かるのかということを考えますと、繁盛するお店の他に、実は地方自治体や地権者の存在があるということに気づきます。地方自治体は直接的には固定資産税など、地権者は賃料の上昇といったリターンが考えられ、間接的にも多くの経済効果などが見込まれます。そういった意味で考えますと、地方自治体や地権者も商店街活性化の主体と考えられます。
 地方自治体や地権者が、商店街組織を通じて間接的に支援をするということに加えて、例えば空き店舗を購入するなど、直接的にリスクを取る施策を将来的に展開することがあるのかも知れないと考えますが、どのようにお考えか、質問します。

【井戸知事答弁】
 商店街は,商業活動を行う各個店が経済活動を行う場でありますから、当然その各個店が商店街振興の主体であることは言うまでもありません。しかし、その活性化については、商店街の各個店が主体となって協力しながら取り組むべき課題もあります。それが商店街振興組合ですとか、基盤整備の問題であります。
 一方で商店街は、そのような意味で地域の賑わいやコミュニティの場であるという公共的性格をもっておりますので、行政主体においても、様々な公的支援を行っているわけです。この公的支援につきましては、まちづくりと密接に関連しておりますし、商店街は身近な生活拠点でありますので、行政的な立場からすると、まずは市町が関わっていくべきだと考えます。
 何も県は逃げるわけではありません。県が市町と協力して、市町単独では解決が困難な取組や市町域を越えた広域的な課題に向けた取組、県内商店街への波及効果が期待できる先導的な取組などを積極的に支援していきます。
 個店の利益の追求が主たる部分については民間が、商店街全体の振興につながる事業については、その公共性に応じて、市町や県が支援すべき、こういう大きな役割分担なのではないかと考えます。

 議員ご指摘の空き店舗対策については、県として、今年度から、店舗の所有と経営を分離して、商店街組合が借り上げた空き店舗を新規出店者へ貸し出す取組を支援する事業を創設しました。各個店では対応できない、全体としての取組みを応援しようとするものです。ご指摘のような見地から、必要ならば、市町や県が何らかの形でこのような仕組みに参加することも検討する必要があるのではないかと思いますが、まずは、これらの事業をはじめ、各種施策を精力的に推進することにより、商店街の活性化にまずは取り組んでいきたい、このように考えております。
 県としても、参加できるような仕組みが考えられるかどうか、さらに勉強していきたいと考えています。

(再質問)
【口述内容】
 県内においては、商店街としての機能を充足していないような、元商店街と言っても過言ではないようなエリアがあります。ある意味では役割を終えてしまったとも思えるわけですが、そのようなところについて、県はどのように対処すべきと考えますか。

【井戸知事答弁】
 商店街は大変、まちづくりの拠点にありますのにかかわらず、今申されたような悲惨な状態にある商店街も見られるわけであります。
 従いまして、我々、例えばアーケードの撤去をするための助成制度を作っているわけでありますが、撤去するだけではなかなか意味がない。撤去した後、どのような再利用・再開発が行われるのかということと併せて撤去ということが出てくるということが、基本にならざるを得ない。
 ということはですね、今の商店街はそのままで復旧するというのは、なかなか難しいと思いますので、商店街を全体として捉えて、再開発計画みたいなものを作って、そして、その中でまちづくりとして支援をしていくことを体系化していくという発想が、必要なのではないかと思っております。
 今の道具立てはどちらかと言いますと、現状商店街を何とかしたい、という発想が中心になっておりますので、さらに面的な再開発をどういうふうにしていくか、という見地で検討を加えていきたい、このように考えておるところでございます。
 それでも、そのように考えましても、国の制度がございません。従いまして、地元でどれだけのことができるかということになるわけでありますが、だから今までなかなか手が出しにくかったのでありますけれども、そういっておれないような状況になりつつあるのではないかと、だからこそ、検討を加えていきたいと考えているのでございます。


5 第3次地球温暖化防止推進計画の実現について

【口述内容】
 昨年11月に開催されたCOP19で、石原環境大臣は、東日本大震災の影響により、将来のエネルギー政策が不透明となったことから、従来の目標であった温室効果ガスの排出量「1990年比25%減」を撤回することを表明しました。新たに掲げた「2020年度に、2005年度比で3.8%減」という目標は、1990年比にすると3.1%の増となっています。
 日本及び兵庫県などの自治体で取組む地球温暖化対策の現状は、大変厳しくなったと言っても過言ではありません。そんな中、兵庫県においては、たとえ厳しい状況であっても、継続して地球温暖化対策に取り組まなければならないとし、本年3月に「第3次兵庫県地球温暖化防止推進計画」を策定しました。再生可能エネルギーのさらなる導入と省エネ対策の一層の促進を掲げ、温室効果ガスの排出が少ない低炭素社会の実現を目指しています。
 そんな中、兵庫県の温室効果ガス総排出量の全体の6割強を占める産業部門の対策として、事業者ごとに提出する温室効果ガス排出抑制計画やその実績の概要について、県が公表する条例改正案がこの議会に提出されています。近年は産業部門に加えて、業務部門や家庭部門の温室効果ガス排出の伸びが大きくなってきており、併せて対策を講じる必要性が高まってきています。
 地球温暖化問題は、地球規模の課題であると同時に、エネルギーを消費する主体である地域社会の構成員すべてが取り組まなければなりません。兵庫県としても、中長期的に温室効果ガスの大幅な削減を目指すとともに、県独自の取組みを積極的に進める必要があると思いますが、第3次地球温暖化防止推進計画の実現について、今後の取組み方法などについてお聞きします。

【井戸知事答弁】
 本県では、3月に「第4次環境基本計画」とともに、低炭素社会をめざす「第3次地球温暖化防止推進計画」を策定しました。この中で、国の対策に県独自の対策を上乗せして、2020年度に温室効果ガスを2005年度比6%削減する、基準年であります1990年度比で3%削減することを目標にしました。これは、国が2005年度比3.8%の削減に比べまして大幅に上回っています。また、2020年度末までに再生可能エネルギーを新たに100万kW導入することを目標に掲げています。
 本県の場合、温室効果ガスの排出量の3分の2は産業部門となっています。この部門の対策は、大きな効果があります。したがって、その削減に向けた対策として、条例に基づき原油換算で年間1,500キロリットル以上を使用する大規模事業者が提出した排出抑制計画、実績報告を新たに事業者ごとに公表することにしようとしております。これにより、先進的な取組の情報共有を図り、目標達成への意欲を高めて参ります。加えて、これまで計画作成等を要綱で指導してきました500キロリットル以上の中規模事業所を条例対象に位置づけ、着実な削減を促進して参ります。今回、条例改正案を提案しておりますので、宜しくお願い致します。
 家庭部門では、広く節電を呼びかけるのが基本になりますが、対策ごとのCO2削減量や省エネ家電等の投資回収効果を見える化して削減方法を提案する「うちエコ診断」を推進して参ります。
 運輸部門では、エコドライブの啓発に加えまして、電気自動車や燃料電池自動車の普及を将来図っていく必要があるのではないかと考え、充電器や水素スタンドのインフラ整備を促す計画を策定して参ります。
 また、再生可能エネルギーの導入拡大につきましては、太陽光発電を中心に低利融資や、あるいは県庁やダム堤体への率先導入、ため池における実証実験などに取り組んで参りますし、また自治会などの地域住民による整備に対しまして無利子貸付を行うことにしました。木質バイオマス発電施設の安定的な燃料供給体制の構築のための体制作りや湯村温泉での地熱バイナリー発電を用いた環境学習なども進めて参ります。
 このような各種の取組や、各団体の連携・協働によりまして「地域力」を活かした取組を進めて参ります。


6 高齢者の暮らしを支える環境づくりについて

【口述内容】
 「私は老齢期をどのように過ごせるだろうか、過ごしたいだろうか」。
 そう考えるとき、私は歳を重ねても元気である限り、できるだけ活発に動き回りたいと思いました。その拠点は、普段暮らし慣れた自宅であり、地域であれば良いなあと思いました。加齢によって医療や介護の支援が必要になっても、できるだけ自分らしく生き生きと暮らしたい、自宅で生活をしたいと思いました。
 私は議員としてこれまで数々の福祉施設・医療機関を訪問・調査させていただきました。特別養護老人ホームに始まり、デイサービス、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所、病院、クリニック、そして地域の多世代交流拠点などであります。先月には、会派での調査で「ささえる医療」を標榜されておられる北海道岩見沢市の村上智彦先生のお話も伺い、医療の実態について勉強をさせていただきました。
 介護保険制度が始まって15年目、国では地域包括ケアシステムの構築を推進しているところですが、私は調査を進めていくうちに気づいたことが2点ありました。それは、「要支援・要介護になるかならないかの微妙なところにいるボリュームゾーンが大きいこと」、そして「元気な高齢者が多い」ということであります。

(1)地域の交流支援拠点づくり

 先日私は西宮市にある「つどい場さくらちゃん」の代表の丸尾多重子さんにお話を伺ってきました。「つどい場さくらちゃん」は、空き家を活用し、高齢者や障害者、子供や、介護従事者、時には市の職員やお医者さんもが気軽に集まることのできる居場所として平成14年に開設されました。高齢者にとっては気軽におしゃべりができる場所であり、一緒にお出かけをしたり、家族以外の方に見守ってもらったりする場所です。時には医療や介護を受ける場所にもなっています。まさに、「要支援になるかならないかの微妙なところにいる高齢者」にとって、大変ありがたい場所だなと感じました。
 高齢者だけではありません。赤ちゃんと一緒に来るお母さんにとっては子育ての経験を聞ける場所であり、子供を預けられる場所でもあり、また小学生にとっては学童保育のようなものにもなっています。介護従事者にとっては、介護の技術を教えあう場所ともなっています。
 核家族化や医療・介護の充実によって忘れかけていた、世代を超えた地域の見守り、支え合いがここにはありました。そんな居場所こそ、国が推進する「地域包括ケアシステム」の目的を実現できる具体例ではないかと思いました。
 兵庫県は、地域包括ケアシステムの構築に向けて、「安心地区推進協議会設置事業」や、「安心ミニデイサービスセンター整備事業」を進めようとしています。しかし、協議会の設置箇所数は平成25年度末現在、全県で8ヶ所、ミニデイサービスセンターも全県で8ヶ所など、数として充足するレベルにはありません。これらの事業は基本的に市町が主体的、積極的に取り組む事業だと思いますし、現に私の地元西宮市では、こういった拠点を数多くつくろうと各地域で取組みを始めています。県が行う支援としては別の角度からのものも必要ではないでしょうか。
 新潟県では、この「つどい場さくらちゃん」を参考にされて、河田珪子さんという方が地域常設型「地域の茶の間」という交流拠点をつくられました。新潟県が長期総合計画の中で、この「地域の茶の間」事業の普及を打ち出したことで、新潟県内にはおよそ2,000を超える拠点や事業ができているようであります。
 兵庫県が掲げる「ふるさとづくり」、そして「地域づくり」に繋がるこのような高齢者等の暮らしを支えるための地域の交流支援拠点づくりについて、知事はどのようにお考えでしょうか。

【井戸知事答弁】
 地域の交流拠点づくりはご指摘の通り、たいへん重要です。高齢者のみならず、子育て、障害者、その他様々な人が気軽に集い、交流できる場を設けていくこと、このことは、ふるさと意識の醸成や郷土愛を育てるということだけではなく、地域での見守り・支え合いづくりの基盤となります。高齢者が住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを最後まで続けることができる社会基盤でもあります。
 兵庫はもともと阪神・淡路大震災からの復旧・復興におきまして、復興住宅での交流スペースの確保、それを中心とする地域見守り態勢づくりを進めてきました。従いまして、このような地域における交流支援拠点は、相当いろいろ形で整備されています。これまでも、県が推進してきたものに「県民交流広場」事業があります。また、世代を越えた地域住民の交流の場ともなる「まちの子育てひろば」や、「まちの寺子屋」など、積極的に取り組んでまいりました。
 また、元気高齢者によります地域住民への生活支援サービスや、専門職による介護予防教室、栄養に配慮した食事の提供等のミニデイサービスを行う「安心地区整備推進事業」を推進しております。ご指摘のようにまだ8箇所でありますが、これはさらなる普及を図って参りたいと考えております。モデル事業でありますので、県がどこまで推進をしていくべきなのか限界はあると考えますが、まだ8箇所程度ですので、さらなる推進を図っていきたいと考えています。今後は、その成果を取りまとめまして、社会福祉協議会等と連携して市町にその拠点を広げてまいります。
 また、地域サポート型特別養護老人ホーム、この事業は、特別養護老人ホーム自身が社会的な貢献事業の一環として、在宅の高齢者を見守る活動として積極的に取り組もうとされていますので、それの推進を図ってまいります。これからも、研修会や情報交換会を通じて普及を図ってまいります。
 介護サービスの基本としては、施設サービスに加えて、地域ケアが重要であります。そのために、高齢者介護が必要になっても、地域で安心して暮らせるような専門的な介護サービスを提供する支援拠点を整備していく必要があります。24時間対応の定期巡回・随時対応サービス事業者を更に育成してまいります。また、小規模多機能型居宅介護や、特定施設入所者生活介護等への介護事業者の参入等を市町とともに推進して参ります。

(2)高齢者が元気に活躍できる環境づくり

 日本の医療環境は高い水準にあり、平均寿命は伸びています。年金を受給できる年齢になっても、まだまだ元気な方々が多いという実感があるのではないでしょうか。兵庫県内の65歳以上で介護認定を受けておられる方々の割合を見てみますと18.6%です。8割以上の方が介護を受けず、自立した生活を送られているのです。
 先日お伺いした西宮市門前町にある「門前生き生き介護ハウス」の岡野代表は80歳ですが、現役で代表としてのお仕事をなさっていました。また、岡野代表から聞いた話によると、同ハウスで調理の仕事をなさっている70歳で定年を迎える女性の職員、もうおばあちゃんと言っても過言ではない方ですが、「できるだけ迷惑はかけないから、まだ仕事をさせて欲しい」との申し出があったようで、その方には少しペースを落として今後も仕事をしてもらうことになったようです。
 報道によりますと、年金の支給開始年齢が引き上げられる可能性があるとのことです。歳を重ねていくと病気や障害を少なからず抱えるかも知れませんが、高齢者が元気である限り、意欲を持って働くということ、活動をするということは大変尊いことであり、社会にとっても力強い存在です。
 県では、高齢者の起業支援などの高齢者の多様な働き方による社会参画促進策を進めているところですが、現在の施策の進捗状況と目指す方向性をどのようにお考えか、質問します。

【井戸知事答弁】
 高齢者こそ、これからの高齢社会を担う大きな役割、責任があります。私はそのためにも高齢者の経験や知識を生かす雇用や生きがい就業などの就業機会の充実が不可欠だと考えています。
 高年齢者雇用安定法により、昨年4月から65歳までの希望者全員の継続雇用が義務化されています。県としても引き続き継続雇用実現に向け、高齢者の雇用管理セミナーや個別相談等によりまして、企業への継続雇用の働きかけを強化してまいります。また、技術をもっておられる高齢者の人材バンクを運営して、中小企業等とのマッチングを進めています。
 退職後の高齢者に就業機会を提供するシルバー人材センターも重要です。45,000人が会員となられています。また、特にニーズの高い高齢者生活支援サービスなどの就業分野を開拓する必要があります。受注の拡大のため、共同広域受注にも取り組んでいます。
 高齢者の力は、コミュニティ・ビジネスにおいても発揮していただかねばなりません。生きがいしごとサポートセンターにおいて、起業・就業を支援してまいります。新たに、シニア起業者への立ち上げ支援を制度化いたしました。
 高齢者の就業能力の開発として、介護施設での就労に必要な初任者研修、介護福祉士等の資格取得支援、あるいは高齢者の農業への復帰や新たな参入のための研修なども実施しております。
 働きたいという気持ちに年齢制限はありません。徳島県の上勝町では、90歳の高齢者がパソコンを駆使して葉っぱビジネスで高所得を得て生涯現役でがんばっておられます。これが理想の高齢者の働く姿ではないかと思います。今後とも、高齢者の多様な就業機会を創出して、地域社会に積極的に参画していただくことを努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いをいたします。


7 県立高等学校等における教育環境について

【口述内容】
 学校教育を取り巻く環境が多様化・複雑化し、教職員の方々の事務量が増大しているという状況を心配して、私はその実態を把握するため、先日地元のある県立高校を訪問しました。今回は、普段あまり注目をされてこなかった「学校事務職員」の方からお話を伺いたいと思い、学校事務職員さんを束ねる事務長さんをお訪ねしました。お会いした事務長さんは兵庫県立学校事務長会の会長も務めていらっしゃる方です。お話を伺って、県立高等学校等の教育現場において問題・課題と感じられることがありましたので、質問します。

 まずは「教育現場の現状」についてです。
 ご承知のように、現在兵庫県では行革の取組みが進行中で、学校予算についても施設の維持管理を中心とした経費のシーリングによって、年々予算は減らされています。学校現場では、「冷暖房の稼働時間の短縮」、「プールの使用期間の短縮」、「新聞・雑誌類の購読数削減」、「学校図書の購入数削減」、「校舎内の部分消灯の実施」、「修学旅行の行き先変更」などの工夫を行いながら経費節減に努めている現状がありました。しかし、冷暖房についてはせっかく付いたにも拘わらずスイッチを付けることができない、クラブ活動を制限せざるを得ないなどのような状況もあるようで、様々な面で少しずつ影響が出てきています。
 一番心配なのが「施設設備の老朽化による影響」です。昭和50年代に建築された校舎等の外壁が剥がれて落下することがあるなど、生徒たちの安全を脅かしかねない事態を引き起こしている学校があるようです。また、給排水設備においては水漏れ、異臭、水圧低下、電気設備においては漏電という事態も発生しているようです。
 次に、「事務職員の業務面」ですが、近年、高等学校の現場では以前よりも多種多様な事務が増えてきているようです。IT化によって様々な事務の軽減は図られているものの、地域との連携に関することや、小中学校等との連携、来年度からの通学区域の変更による学校のPRや説明会など、事務量は増加傾向にあるようです。また、ご承知のように、今年度は「高等学校等就学支援金」、いわゆる「高校授業料無償化制度」の変更に伴う、課税証明書の提出督促・確認の事務が発生しました。今年度は1年生だけが対象ですが、来年度は1、2年生、再来年度は全生徒が対象となり、この点においても事務量は増加していきます。
 そこで、このような経費削減の努力や施設設備の老朽化、事務職員の事務量増加等の学校現場の現状について、県教育委員会はどのようにお考えでしょうか。特に、生徒たちの安全で快適な教育環境を維持、更新していくことは重要だと感じましたが、どのようにお考えなのか、あわせて伺いたいと思います。

【高井教育長答弁】
 学校の施設運営につきましては、各校の判断のもと、教育水準の低下を極力招かないよう配慮しながら、経費の抑制に努めています。具体的には、太陽光発電、省エネ機器の導入、電力消費量の監視装置によるピーク電力の抑制、廊下などの間引き消灯、電気・電話などの、より安価な契約への見直し、インターネットの活用等による雑誌類購入の見直しなど、各校の事務長同士で情報交換をするなどの努力も得て様々な工夫を行っているところです。ただし消費税増税ですとか、電気料金の値上げですとか、たいへん環境が厳しいものがありますので、これからも学校とともに、さらなる努力をしてまいります。

 施設面につきましては、昭和50年代に整備された建物が、全体の4割を超えるというふうに、たいへん老朽化が進んでいますが、現下の最重要課題は、生徒等の生命を守るための耐震化改修、あるいは天井落下防止でありますので、予算を重点配分いたしました。平成27年度末耐震化率95%、平成30年度末、耐震化完了を目指して集中的に組んでいるところです。
 なお、外壁の落下など大きな事故につながりかねない箇所につきましては、放っておけませんので、緊急修繕というかたちで、優先的に対応を行っているところですが、耐震化改修の完了後を見据えた抜本的・計画的な老朽化対策の検討も進めていきたいと考えています。
 
 就学支援金をはじめとする新たな事務につきましては、例えば生徒情報を入力すれば認定までの作業が自動的に実施できるようなシステムの導入、それから授業料、これまでの毎月徴収から四半期ごとの徴収への変更など、事務量の軽減を図っているところです。引き続き実務に携わる現場職員の意見を聞きながら、事務の簡素化、効率化に努めてまいります。
 今後とも、第3次行革プランを基本としながら、限られた予算を効果的に配分して、教育環境の維持、改善に努めてまいります。

兵庫県議会議員 くりやま雅史 - 議会活動/一般質問(兵庫県議会)/2014年6月6日 代表質問内容

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