兵庫県議会議員 くりやま雅史
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議会活動一般質問(兵庫県議会)2020年10月9日 決算特別委員会 公安委員会 質問内容

2020年10月9日 令和2年度 決算特別委員会 公安委員会


1 鉄道警察隊について

【口述内容】
 鉄道警察隊は、鉄道利用者の安全安心を守るため、鉄道施設におけるパトロールや列車警乗による痴漢、粗暴犯等の犯罪の検挙、抑制活動を行うとともに、昨今は鉄道事業者との連携も強化し、鉄道駅員や運転士等に対する暴力等についても、その対策に取り組んでいただいていると承知しています。その取り組みに敬意を表し、感謝するところです。
 しかしながら、鉄道警察隊の活動体制や、隊員の配置、痴漢や粗暴犯等を取り締まるための普段の戦略的な活動など、隊全体の活動等について、私の中でまだ理解が進んでいません。ですので、この決算特別委員会の機会を捉えて、鉄道警察隊の全体像について、知りたいと思います。

 鉄道警察隊の活動の一つとして、本年2月定例会で、私から「駅員等への暴力事案対策」についての一般質問をさせていただきました。当時の加藤本部長から、「鉄道事業者との連携をより一層強め、列車警乗の回数を増やしたり、ラッシュ時や酔客の多い時間帯における駅構内の駐留警戒やパトロール活動を強化するとともに、積極的な声掛けなど、制服警察官による見せる活動を展開して、鉄道施設における安全・安心の確保を図っていく」と答弁されました。あれから約7か月が経過し、この間コロナ禍で鉄道利用者はかなり減少しましたが、ご答弁にあったような取り組みはどうであったのか、まず教えていただきたいと思います。
 また、冒頭に申し上げました鉄道警察隊の活動体制をはじめ、鉄道施設内の事件・事故を防ぐための鉄道警察隊の普段の活動について、総括的にご答弁いただきたいと思います。

【桑野地域部長 答弁】
 鉄道警察隊は、JR神戸駅に本隊を置きまして、三ノ宮・姫路等の主要駅に詰所を置き、隊長以下47名が列車警乗や駅等の鉄道施設の警戒を行っているほか、沿線を管轄します警察署に兼務発令を行いまして、交番と連携を図り、鉄道施設全般の安全と秩序の維持に当たっているところであります。
 鉄道施設で敢行される事案としましては、痴漢や盗撮、つきまといといった女性や子供がターゲットとなるような犯罪やいわゆるキセル乗車など、鉄道施設特有の犯罪のほか、駅員等への暴力や酔客とのトラブルなど、一般の現場と変わらないような事案が発生しているところであります。
 これに対しまして、ラッシュ時やトラブルの多い時間帯における制服での駐留警戒を強化しているほか、鉄道事業者に対しては、駅員が被害者となった場合の積極的な被害申告の促進や事案認知時の通報を依頼し、対応しているところであります。
 コロナ禍の影響か鉄道施設における事案は減少しているところでありますが、痴漢やわいせつの被害の相談に対しては、私服の鉄道警察隊の捜査員を投入しまして、同行警乗を行うなど、保護と検挙の両面から発生事案に応じた活動を行っているところであります。
 このほか鉄道事業者とは、定期的に連絡協議会を開催しまして、情報共有を図ったり、列車事故等を想定した合同訓練も行っております。この8月には、列車内での痴漢を鉄道警察隊員と駅員が連携をして検挙した効果的な事例もあります。
 今後も引き続いて、鉄道事業者との緊密な連携を図りながら、警戒を強化して、鉄道施設におけます安全安心の確保に努めてまいりたいと考えております。

【意見・コメント】
 私、今回、この質問をさせていただくに当たり、実は、この鉄道警察隊って「隊」ですから、何人いらっしゃるのかという質問をしようとしたら、最初は「秘密だ」と言われたが、ご答弁では47名とはっきり答弁いただいたので、あ、そうなんだというふうに思ったわけであるが、実は、私が調べたところによると、間違えているかもしれないが、県内の駅は372、路線でいうと40前後あるということである。40は路線が長いものもあれば、短いのもあり、新幹線もある。
 電車は早朝から深夜まで動いており、そういった中で47名でやられているというのは大変なことだなと。もちろん交代制であろうし、隊員が普段どのような活動を、先ほど申し上げた一般質問でも制服を着た警察官がその姿を見せることによって抑制できるような、そういう活動も強めていただくと言っていただいたが、限界があるのではないか。これだけ駅があり、これだけ路線があると、またたくさんの電車が四六時中走っているということでは、ある意味、ターゲットを絞ってというか、例えば乗降客が多い駅、あるいは時間帯、そして痴漢の相談の対応もあると思うし、いろんな意味で効果的に隊員を動かしていかなければならない。これは大変難しい業務ではないのかなというふうに思っていたところである。
 また、その姿を見せていただく警らという意味では、時々私も駅で警察官の方をお見かけするが、その方が鉄道警察隊なのか、あるいは所轄の駅前交番の方なのか、どっちか分かりませんけど、見る頻度ってそんなに多くはない。そういった方が駅の中に入ってこられていると思うと、警らで抑止というよりも、何か事件か事故があったんかなという、そういうちょっと珍しい感じで映ることがある。
 ご答弁にもいただいているとおり、酔客が多い夜とか、利用者同士もそうであるが、駅員も含めていろいろトラブルが多い時間、そういったところを意識してやっていただいているということであるが、今後も引き続きやっていただいて、この鉄道敷の安心・安全を確保できるようにご尽力いただければと思う。よろしくお願いする。

2 外国人犯罪対策について

【口述内容】
 先日の神戸新聞において、「偽造在留カード密売横行」の記事がありました。外国人技能実習生が多数失踪するという社会問題になっている中での、ある意味では想定できた外国人の犯罪と言えると思います。
 警察庁によると、2019年に不法残留容疑、つまりは入管難民法違反容疑で摘発されたのは4千人を超え、過去最多を更新しているとのことです。問題の根本は、この技能実習生や留学生の処遇をどう改善できるのかだと思いますが、この課題が解決されない限り、不法残留者を相手にした「犯罪ビジネス」は止まらないのではないでしょうか。また、犯罪に手を染める外国人の多くは、借金の返済や職場での低賃金による生活苦などからの窃盗が多いと聞いています。国内のグローバル化が進む中で、県警察当局としてもその対応に苦慮されているのではないかと感じています。
 そんな中、兵庫県警は来年春に「国際捜査課」を設置される予定で、外国人犯罪、国際犯罪の取り締まりを強化されると聞いております。そこで、兵庫県内の来日外国人の最近の検挙状況や、その抑止についての取り組み、そして犯罪を予防する取り組みなど、現在の状況と新たに組織される「国際捜査課」で期待される役割などについて、ご答弁をお願いしたいと思います。

【吉岡警察本部長 答弁】
 県下における来日外国人の検挙人員は、平成29年以降、増加傾向にあり、昨年は363人を検挙しており、このうち約3割を不法滞在者が占めている。これら不法滞在者の中には、偽造在留カードを入手して正規滞在者を装い、不法就労や窃盗等の犯罪に及んでいるものがみられるほか、在留カードの偽造・密売には、国際犯罪組織が関与している状況が認められる。
 警察では、出入国在留管理局と連携した不法滞在者の取締りや、偽造在留カードの密売、不法就労者の斡旋・雇用等「犯罪インフラ事犯」の取締りを強化している。
 また、外国人が多く集まる地域、技能実習生、留学生を受け入れている企業、学校等の「外国人コミュニティ」に対する指導、啓発活動を行うことにより、外国人犯罪の防止及び外国人コミュニティへの犯罪組織の浸透防止を図っている。
 今後予想される外国人労働者の受け入れ拡大等に伴う情勢の変化に的確に対応するため、来春、国際捜査課の新設を予定しており、検挙と抑止の両輪による外国人総合対策を一層強化するとともに、捜査員や通訳員の育成による捜査力の強化を図り、悪質・巧妙化する外国人犯罪に的確に対処してまいりたい。

【意見・コメント】
 調べてみると、今全国で不法在留者がもうおよそ10万人前後いるんじゃないかというようなことが新聞に書かれていた。その中で、国籍別で見ると、ベトナム人が多いんだというようなことも書いていて、兵庫県内もベトナム人もいるコミュニティもたくさんある。
 今のご答弁では、やはりこれはもう「いたちごっこ」になっていく中で言うと、警察官が外国人コミュニティに入っていく、そして予防をするというように、犯罪をしないようにということでの活動をするということであった。本当にそういった啓発活動、特に直接的に警察官と外国人の皆さんがより近い距離で、ああこういうふうに見られているのかなと。あるいは、こういうことをしたら、いろいろ困ることがあるんだよということを直接的に犯罪抑止に関わるということは大変いいことだなと思っている。
 数限りある警察官の皆さんの活動の中で、難しいところもあるかもしれないが、新しくなる国際捜査課で、しっかりそういった体制も含めて強化していただきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。

3 大規模災害時の対応について

【口述内容】
 兵庫県警では、大規模災害発生時において、一元的に迅速・的確な災害警備体制を確立するため、「兵庫県警察災害時職員緊急参集システム」の運用による職員の参集、災害警備本部の設置、指揮支援隊や救出救助にあたる部隊等の「直轄部隊」を編成されるなど、その対応にあたる備えをされていると聞いています。また、「総合的画像情報伝送システム(ヘリテレシステム)」を運用しているほか、災害現場で必要な資機材として、多目的に活用が可能な「災害用救助工具セット」や、瓦礫等が混在する水没地域でも航行可能な「プロペラボート」も整備されています。
 ソフト面においては、地震や台風などの自然災害や航空機事故等の事故災害に備えるために、県・市町、消防、自衛隊、海上保安庁等の関係機関などとの「合同訓練」などの実戦的な訓練も適宜実施されています。
 あの阪神淡路大震災から25年が経過しました。毎年のように全国のどこかで地震や集中豪雨、台風などの自然災害が発生している近年ですが、その対応にあたる警察にとっても、阪神淡路大震災の経験と教訓を踏まえ、その対策と準備を怠るわけにはいきません。
 そこで、台風が多く発生するこの時節をとらまえて、これまでの兵庫県警の災害対策にかかる取組の経過を確認したいと思います。

【浪花警備部長 答弁】
 阪神・淡路大震災を始めとする過去の災害警備で得た貴重な教訓を踏まえ、今後の大規模災害に備え、その対策と準備を行っております。
 県警では、平成7年に災害対策課を新設し、事前対策から初期対応、災害復興期における活動までを定めた災害警備計画や災害警備本部・各部隊の発災時初期対応を具体的に示した緊急事態初動マニュアルなどを策定し、これらに基づき、委員からご紹介いただきました指揮支援隊をはじめとする各即応部隊を創設するなど、災害警備体制を強化しております。
 装備資機材については、ヘリテレシステム等の構築や、プロペラボートの配置、災害用救助工具セット等の整備拡充を進めており、その他にも様々な災害の実態を踏まえまして現場で必要な装備資機材の充実に取り組んでおります。
 また、地震等を想定し解体予定施設等を活用した実戦的な訓練や、過去に風水害等で甚大な被害が発生した地域での、関係機関や地域住民と連携した合同訓練を実施しております。加えて、平成30年度から、全警察署が参加する「兵庫県警察フェニックスレスキュー競技大会」を開催するなどして警察署の救出救助能力の向上を図っています。
 さらに、震災の教訓を風化させないため、1月17日の「ひょうご安全の日」を中心に各所属において震災警備を経験していない者に対する「語り部」による伝承教養や各種訓練を実施しているほか、民間企業・団体等と発災時における、重機による業務支援や物資の調達をはじめとする各種協定を結ぶなどの施策を推進しております。
 今後も、県警全体の更なる救出救助能力の向上や装備資機材の整備等に努めるなど、大規模自然災害に備えた警察の災害警備諸対策に万全を期してまいります。

【再質問】

 例えば、明日の台風で被害が発生した場合、具体的にどのように人員を参集させ、部隊を編成し、行動するかについて教えて欲しい。

【再答弁】
 今回の台風のような場合であれば、事前に被害の想定される地域にはあらかじめ準備をするよう指示しており、機動隊については、万が一災害が発生した場合でも直ちに運用ができるよう待機を命じています。
 警察署については、災害の発生状況や警報の状況により、体制の規模によって、参集人員を予め計画で決めており、事前に自分がどの要員であるかについて十分認識させているので、例えば今日の夜に災害が発生すれば、直ちに参集しなければならないという意識付けをしています。
 具体的な人数は災害の状況によるが、一時的な対応がとれるように準備させているところであります。

【意見・コメント】
 分かりやすいご答弁いただき、ありがとうございます。そしてまた、安心したし、心強く感じたところです。
 今回、私、大規模災害について質問させていただいたが、今回お配りいただいた決算概要説明要旨には、大規模災害でこうやってテロ対策というところも書かれており、それと同じように対応されるのかなと思っているが、私個人的な話になるが、昔2001年、ニューヨークテロ事件で、私現場で被災した経験があり、あのとき警察と軍とか、あるいは消防とか、もういろんな方があのビルの下に集まっている姿を見て、いろんな意味で助けようと思ったけど、助けられなかった命もあった。そういったことを踏まえ、いろんなテロの形があろうと思うし、災害もいろいろあろうと思うが、事前にいろんなシミュレーションをしていくということが非常に大切だと思うし、また現場、現場が全く違うし、初めてのことであるから、どう対応していいのかも分からないというところがある。これは合同訓練で横のつながりもしっかり作りながらやられていると思うが、やはり備えがなければ、対応ができないわけであるから、そういったところは過去のいろんな事例も踏まえ、訓練、あるいは教養を積んでおられると思うが、今後もまた私たちが想像つかないいようないろんな事件、事故があろうかと思います。そういったときにも適切に御対応いただき、また県民の命を救出していただくようによろしくお願いをしたいと思う。

前兵庫県議会議員 くりやま雅史 - 議会活動/一般質問(兵庫県議会)/2020年10月9日 決算特別委員会 公安委員会 質問内容

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